「「最も危険な場所の一つ」 新型肺炎対応、海外から批判」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/2/20 19:33)から。

 新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号への日本の対応をめぐり、海外では批判や疑問の声が上がっている。

 米メディアは、クルーズ船の乗客2人が死亡したことを速報。ニューヨーク・タイムズは日本政府が乗客約500人を下船させたことに触れ、「複数の感染症の専門家がその判断を疑問視している」と報じた。同紙は、東京電力福島第一原発事故の際と共通点があるとの米テンプル大教授の指摘も紹介。「日本はあらゆる面でしっかりとした社会だが、物事がレールを外れても、通常通りの対応で十分だと考える。例外的な状況下では例外的な対応が必要だ」との分析を掲載した。

 ブルームバーグ通信は「日本が急速にコロナウイルスの温床に」との見出しで記事を配信。「最も危険な場所の一つとして浮上し、安倍政権が拡大を阻止できなかったと批判されている」と報じた。

 英国では、SNSなどに船内の様子を頻繁に投稿していた英国人夫妻の感染が確認され、ショックが広がっている。BBCなどは、夫妻の息子が「日本での隔離が失敗だったのは明らかだ」「ちゃんと面倒を見てほしい」と涙ながらに訴える様子を伝えた。

 親日的で知られる香港でも批判が強まっている。香港紙・明報は20日の社説で、日本政府の対応が遅れた背景として、東京五輪を前に国際的なイメージの悪化を懸念したなどと分析。「ダイヤモンド・プリンセス号の防疫対策は疑いもなく失敗した」と断じた。

 また、台湾メディアは、日本政府が乗客を帰宅させたことについて「日本政府はなんと勇気があるのか」と、ネット上の発言を紹介する形で皮肉まじりに疑問を呈した。台湾当局新型肺炎対策本部は「日本では感染源が明らかではない事例が次々と確認されており、すでに隠れた市中感染が起きている可能性がある」と分析している。(ニューヨーク=藤原学思、ジュネーブ=下司佳代子、香港=益満雄一郎、台北=西本秀)