「人生は積み重ね」ではなく「積みへらすべき」(岡本太郎)

 

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 岡本太郎著「自分の中に毒を持て」については以前紹介した。

 冒頭からしてたいへん参考になる。

 人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
 人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
 今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、ちょうどいい。

 この岡本太郎氏の忠言が無意識のうちに自分の心に響いていたのであろう。3年前よりこれまで集めてきた音源・映像・書籍の整理・処分を始めた。

 

 音源はカセットテープから始まり、レコードはひとまず置いておいて*1、MD・CD。

 映像は自分で撮影したものは別にして、映画などのビデオカセットテープ(VHS)、LD、そしてDVD。

 そして書籍。

 

 3年前より始めて、音源のジャンルは、ようやくレコードの整理にさしかかった。

 CDで持っているものやアナログ音源をデジタル化して、整理・処分をしたい。

 

 岡本太郎が言うように「過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる」。これは相当に確かなことだ。たとえば若い頃から好きな音楽も音を楽しむよりむしろ音を集めることにかまけて、音を楽しめなくなる。

 これまで集めてきたものの処分が必要な所以である。

 

 ものを集めるより、スキーやキャンプや自転車や釣りのように自然を身体で感じることを大切にしたい。自然を身体で考えることを大切にしたい。

 まさにこれも次のように岡本太郎氏の言う通りだ。

人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
 今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、ちょうどいい。

 

  岡本太郎氏が遅くスキーを始めたことは知られている*2

 本書の中にもスキーに関する文章があり、その文章も紹介したいのだが、それは次の機会としよう。

*1:レコードのメンテナンスとして、レコードの清掃とジャケットカバーの入れ替えは済ませていた。

*2:岡本太郎氏は46歳からスキーを始めた。