この6月に発売されたNeil Youngの”Homegrown"を先月購入し聴いている。
アルバム"Homegrown"は、アルバム"On the Beach" (1974)が発売されてから "Zuma"(1975)のセッションが始まるまでの1974年6月から1975年1月にかけて録音された音源。発表予定だったが、お蔵入りとなった。
"Homegrown"と"Tonight's the Night"のどちらを公に発表すべきか、私的パーティでパーティ出席者にデモテープを聞かせた結果、"Tonight's the Night"(1975)を発表したという逸話は俺も知っていた。
"Homegrown"は、あまりに私的な内容であり、Neil Youngにとっては辛すぎる内容ということで、結局未発表となってしまう。
Neil Youngは俺がずっと聞いてきたアーティストの一人だ。
"Ohio," "Southern Man," "Don't Be Denied"など、社会的事件や自伝的内容など、よくわかる唄もあったから好きになったのだが、英語が母語でない俺にとってはときに何を歌っているのかイメージがつかみづらいよくわからない唄もあった。
とくに充分言語化されていなかったり個人的過ぎたり背景情報が欠損しているとわかりにくくなる。
今やInternetの時代になって、各紙・各誌のアルバムレビューも読めるし、Songfactsなどのサイトもあるから、当時とちがって今は資料が豊富で、隔世の感がある。
たとえばアルバム"Harvest"(1972)の"A Man Needs a Maid"。当時男性優位主義(male chauvinism)過ぎるのではないかとは思ったけれど、これが事実に基づくものなのか、フィクションなのか、わかるはずもなかった。この唄で触れられた女優が実在のCarrie Snodgressであり、彼女とNeil Youngとの間に初めての子(男子)が生まれこと。結局は、破局を迎えてしまったこと。この辺の私生活のことは、ファンであっても、当時は資料不足で確信がもてなかった*1。
'Homegrown'のような個人的内容のつよいアルバムは実にわかりにくいのだ。
今回初めてアルバム'Homegrown'を聞いてみて、全12曲中、未発表は、おそらく7曲*2。
インターネットでアルバムレビューを読んだりSongfactsのサイトなどでいろいろと調べてみると、マリワナについてと思われる2曲をのぞいて、残りの10曲は、すべて女優Carrie Snodgressに関連したものと思われた。
全体として、一曲一曲は曲として未完成の印象があるが、ファンにとっては魅力ある一枚であることは間違いない。
逆にいえば、アルバム'Homegrown'は、ファンでないものには完成度の低いアルバムと映るだろう。
以下、Pitchforkのreview。
https://pitchfork.com/reviews/albums/neil-young-homegrown/
以下、Rollingstoneのreview。
https://www.rollingstone.com/music/music-album-reviews/neil-young-homegrown-review-1009692/