以下、朝日新聞デジタル版(2020/9/20 20:03)から。
辺野古の埋め立て工事のために採取する海砂は、4年間で東京ドーム3個分――。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐって政府が県に提出した資料から、そんな計画が明らかになった。海砂の大量採取は生態系に影響を与えるとして禁止する自治体もあり、観光資源である沖縄の海への悪影響が心配されている。
資料は、普天間飛行場の名護市辺野古移設計画をめぐる設計変更の申請書。埋め立て予定の海域で見つかった軟弱地盤を改良するため、防衛省沖縄防衛局が今年4月、県に提出。9月8日から28日まで、3週間の縦覧が始まっている。
申請書によると、従来は埋め立て用に海砂約58万立方メートルを使う予定だった。しかし、新たな計画では、海砂を地盤改良材として4年間で約349万立方メートル使うとしている。また護岸工事にも着工後の6年間で約38万立方メートルを使用。全体量は変更前の7倍近い約386万立方メートルに上るという。申請書は海砂について「沖縄県内において本事業への必要量は確保できる」との想定を明記する。
海砂をめぐっては、関西空港や神戸空港の巨大埋め立て工事に供給してきた瀬戸内海で、沿岸各県が2006年までに採取を禁止している。大量の海砂が失われたことで海底地形や海流が変わり、小魚が生息する藻場が消失。小魚をエサにするタイやメバルも減って、漁業に影響が出たといわれている。
(後略)
(藤原慎一)