「学術会議任命拒否 安保関連法反対の学者が抗議声明 益川氏「長く糾弾されるだろう」」

  前の朝日新聞デジタル版と同じ内容を毎日新聞は以下のように報じている。

 以下、毎日新聞(2020年10月14日 17時42分(最終更新 10月14日 19時15分))より。

学術会議任命拒否 安保関連法反対の学者が抗議声明 益川氏「長く糾弾されるだろう」 - 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 「安全保障関連法に反対する学者の会」が14日、東京都内で記者会見を開き、日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかったことに抗議し、理由の開示と撤回を求める声明を発表した。会の呼びかけ人の一人で、2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・京都大名誉教授は「菅首相がこんな乱暴なことをしたということは歴史上長く糾弾されるだろう。戦争の反省の上に作られた日本学術会議に汚点を残すものだ」と批判するメッセージを寄せた。

 会には、菅首相が任命を拒否した宇野重規・東京大教授ら6人全員が呼びかけ人や賛同者として名を連ねている。6人や益川氏は会見に参加しなかった。

 声明は、日本学術会議元会長の広渡清吾・東大名誉教授ら、任命拒否された6人以外の計58人が連名で出した。日本学術会議法は戦前・戦中の国家による学問思想統制の反省によって政府からの独立性をうたい、首相の任命権を制約しているとして「明らかな違法行為」と批判。「学問の自由を侵害し、思想表現の自由の抑圧につながりかねない」と訴えた。

 会見で浅倉むつ子・早稲田大名誉教授(法学)は「学問への萎縮効果を生み看過できない。政府に言いなりになる学者ばかりが育つ社会は発展しない」と指摘。学術会議では幾重にもわたる手続きで会員を選考しているとして「無謀な暴挙だ」と批判した。思想家の内田樹神戸女学院大名誉教授も「アカデミーに政権が関与することは学術的な発信力を損なう大きな問題で、長期的に日本全体の国益を損なう」と話した。

 小熊英二・慶応大教授(歴史社会学)は「選挙で選ばれた権力者であっても、法に定められた手順を踏まないといけない。理由も説明しない現状を放置すれば、不透明な差別の温床につながり、入試や就職など民間にも影響が及びかねない」と危機感を示した。

 会によると、14日までに国内約350の学会が抗議声明などを出しているという。【岩崎歩】