「ツイートが作った非現実の世界 トランプ劇場、強制終了」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/1/9 20:34)から。

 米ツイッター社が8日、トランプ大統領のアカウントを「永久停止」にした。トランプ氏の支持者がワシントンの連邦議会議事堂に乱入した事件の衝撃が続くなか、暴力の再発を防ぐためだ。トランプ氏にとってツイッターが主要な政治ツールだっただけに、影響は極めて大きい。IT企業がこうした判断をすることの是非をめぐる議論は、米議会などでも高まりそうだ。(サンフランシスコ=尾形聡彦、ワシントン=園田耕司)

 「私に投票してくれた偉大な米国の愛国者たちは、将来にわたって巨大な声を持つ」

 「1月20日の大統領就任式には出席しない」

 トランプ氏は8日、この二つのツイートを投稿した。これまでも繰り返し投稿してきたような内容だが、ツイッター社が、アカウントを「永久停止」とする引き金になった。

 ツイッター社によると、トランプ氏がバイデン次期大統領の就任式に出席しないと表明したことは、多くのトランプ支持者には「大統領選が正統なものではないと、受け止められる」と判断したという。トランプ氏が欠席することで、暴力的な行為を考えている者にとって、就任式が「安全な」標的になりうるとも言及した。

 また、トランプ氏が「米国の愛国者」という表現を使ったことは、6日に連邦議会議事堂に乱入した自身の支持者を「支持していると受け止められる」とした。同社はさらに、ツイッターの内外で、議事堂などへの「第2波」の攻撃を17日に行うことを含め、武装抗議の計画が既に拡散していると指摘。「トランプ氏の二つのツイートは、6日の出来事の再現を、他の人たちに惹起(じゃっき)する可能性が高い」と結論づけた。

 ツイッターにとって、トランプ氏の投稿内容は以前から懸案だった。トランプ氏は昨年の大統領選をめぐり、何度も根拠なく「不正があった」などとツイート。ツイッター社はそのたびに「ミスリーディングな内容が含まれている」という警告をつけ、利用者を公式の選挙結果に誘導するなどの対応をとってきた。

 だが、「トランプ氏のうそを容認している」との批判は多かった。そんな中、6日に議事堂乱入事件が発生。ツイッターはトランプ氏のアカウントを一時凍結するなどの措置をとったが、米メディアによると、事件を機に社内でもトランプ氏のアカウント停止を求める声が強まったという。

(後略)