「政治デモ参加者に「近づきたくない」 日本と中国で突出」

f:id:amamu:20051228113106j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2021/4/16 17:00)から。

 政治的なデモに参加する人には「近づきたくない」と考える傾向が、日本と中国では突出して強いことが、アジアと欧米の九つの国・地域の調査からわかった。デモは、投票だけでは表現できない不満や怒りを示す行為で、あまりに敬遠されると人々の声が政治に届きにくくなる、と専門家は懸念している。香港城市大や大阪大などが13日、論文を専門誌に発表した。

 香港城市大の小林哲郎准教授(社会心理学)らは2017~18年、日中韓と香港、インド、英仏独米の九つの国・地域で約7千人にアンケート。「大卒でプログラマーとして働く24歳の男性」という架空の人物を設定し、一緒に食事したり働いたりすることや、彼が家族と交際・結婚するとしたらどう思うかを「とても抵抗を感じる」から「まったく抵抗を感じない」の5段階で評価してもらった。

 この時、男性が「政治的なデモに去年から数回参加した」ことにすると、抵抗を感じる度合いが100点満点に換算して日本で約9ポイント、中国でも約7ポイント上がり、統計的にはっきりとした差が出た。その他の国・地域では大きな差はなかった。

 日中など東アジアでは、人々の調和を重んじる「集団主義」の傾向が強いためではないかと論文は分析。韓国でこの傾向がなかったのは、16年から朴槿恵(パククネ)大統領(当時)への抗議デモが広がり、デモへの抵抗感が薄まっていた可能性があるとした。

(後略)

(小宮山亮磨)