映画"American Utopia"をつくったDavid Byrne の ”Reasons To Be Cheerful”

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American Utopia

 David Byrne というアーティストは、そもそもミュージシャンをめざしたわけではないようだ。ただ、幼少期に内向的であった自分の性格を、舞台に立って殻を破って自己表現することが面白かったようで、いわば趣味として音楽をやっていた。芸術大学を進学に選んだけれど、まわりの友人を見て面白くないと感じて大学を辞めたり、ミュージシャンになってもヘンテコなダンスをしたり、ダブダブのスーツを着たり、アフリカ音楽やブラジル音楽に興味をもち、フィリピンのイメルダ夫人のミュージカル*1にかかわったりと、かなり変わったところがある。まぁ多かれ少なかれ、ミュージシャンは変わったところがあると思うけれど。

 さて、スパイク・リー監督の力をえてという話ではあるけれど、そのDavid Byrneのすばらしい映画"American Utopia"。

 音楽性・身体性・文化性・政治性・伝達性・芸術性と、あらゆる点ですぐれている作品だ。

 そこにDavid Byrneという人間性、生き方が背景にあることは言うまでもない。

 Democracy Now!のインタビューで紹介されていた"Reasons To Be Cheerful"(「明るく思える理由」)。

 毎日ニュースに触れると暗い話ばかり。なかなか課題解決に行かない話ばかりで気落ちする。代替案はないのか。明るくなれるニュースはないのかということで、David Byrneが始めたプロジェクトだ。

About Us - Reasons to be Cheerful

 David Byrneは、The Late Show with Stephen Colbertで、たとえばテキサス州の中の小さな町の市長で、共和党で石油もとれるのに、自然エネルギーに切り替えようとする共和党の市長がいたとしたら、それは明るくなれるすごくいい話ではないかと例え話をしていた。そういう話を集めるという問題解決のためのジャーナリズム(Solution Journalism)が"Reasons To Be Cheerful"(「明るく思える理由」)のイメージなのだろう。

 Aboutでは以下のように書いている。

David Byrne | Reasons To Be Cheerful | About

 2019年のNME Japanによる紹介になるが、 "Reasons To Believe"(「明るく思える理由」)の紹介をあげておく。

 デヴィッド・バーン、新たにオンライン・マガジンを始めることを発表 | NME Japan (nme-jp.com)

 こうした活動もしているDavid Byrneだから、映画「アメリカンユートピア」のような素晴らしい作品がつくれるのだろう。