以下、朝日新聞デジタル版(2021/7/18 12:00)から。
新型コロナウイルス感染症の「第4波」に見舞われ、この春に緊急事態宣言が相次いで出た10都道府県で、少なくとも51人が自宅や宿泊療養施設で亡くなっていた。自治体に朝日新聞が取材した。
「第5波」でも起こりうる事態
感染の急拡大で医療が逼迫(ひっぱく)し、十分な治療を受ける前の段階で、命が失われていた。専門家は「感染力がさらに強い変異株が広がる『第5波』でも、同様の事態は起こりうる」と警告する。関西を中心に感染が拡大した3月から宣言が解除された6月20日まで、自宅や宿泊施設での療養中に亡くなった人の数と、病院や宿泊施設へ入るために保健所が調整している最中に亡くなった人の数を自治体から聞き取った。
この期間中のコロナによる死者数は、全国で約6500人だ。
大阪で19人、兵庫で15人
8道府県で死者が確認され、最も多かったのは大阪府の19人。次いで兵庫県の15人、北海道の7人だった。関西の状況をみて、4月下旬に大阪府などと同じタイミングで宣言を早めに出した東京都では0人だった。
大阪府では4月中旬以降、感染者が激増。治療を必要とする患者は5月上旬に2万人を超えた。
病床が逼迫(ひっぱく)し、患者のうち入院できた人の割合を示す入院率は一時、10%を下回った。入院調整中の人は、4月末に3千人を超えた。
重症病床を100床以上増やしたが追いつかず、一部の患者は軽症や中等症向けの病棟や滋賀県で受け入れた。
亡くなった19人のうち4人は保健所が体調を聞き取る前に亡くなっていた。
(後略)
(天野彩、熊井洋美 編集委員・辻外記子)