「大谷翔平、代打で“快足”内野安打 3戦ぶり安打に敵地拍手喝采、MVPコールも」

以下、Full-Count(2021.09.08)より。

full-count.jp

今季の代打成績は4打数2安打の打率.500、4四死球1犠飛
パドレスエンゼルス(日本時間8日・サンディエゴ)

 エンゼルス大谷翔平投手は7日(日本時間8日)、指名打者制のない敵地・パドレス戦の8回に代打で出場。二塁内野安打を放ち、3試合ぶりの安打をマークした。敵地は打席前から拍手喝采の大盛り上がり。MVPコールも響いた。

 出番は2点リードの8回1死。左腕ヒルから一振り勝負で結果を出した。初球シンカーを詰まりながらも中堅方向へ打ち返した。快足を飛ばして二塁内野安打。43号を放った4日(同5日)の本拠地・レンジャーズ戦以来の快音となった。

 代打待機は8月8日(同9日)の敵地・ドジャース戦以来27試合ぶり。この日の一打で、今季の代打成績は9打席に立ち、4打数2安打の打率.500、3四球1死球、1犠飛となった。2死後、暴投で三塁へ進んだが、得点にはつながらなかった。

 前日6日(同7日)の本拠地・レンジャーズ戦は4打数無安打で2試合連続無安打に終わった。この日の試合前には日本時代の先輩にあたるダルビッシュ有投手に挨拶。ダルビッシュが大谷の太ももにタッチ。大谷はボールの握りを見せるなど野球談義に花を咲かせた。熾烈な本塁打争いへ弾みをつける一打としたい。

(後略)

「赤木ファイル背表紙に「M事案」「取扱注意」 裁判所が原告側に説明」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/9/8 19:12)から。

 学校法人森友学園大阪市)の国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを苦に自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)が残した「赤木ファイル」の背表紙に「(取扱注意)『M事案』」などと書かれていたことが8日、分かった。赤木さんの妻・雅子さん(50)が国などを相手に起こした訴訟で原本を確認した大阪地裁が、雅子さん側に対して明らかにしたという。

 国は6月、赤木さんが残した備忘記録やメールのコピーを雅子さん側に開示した。だが、雅子さん側はメールの発信者などが黒塗りにされており、一部に欠落があるなどと主張。地裁は国から原本の提出を受け、内容を確認していた。

 雅子さんの代理人によると、地裁はこの日あった非公開の手続きで、A4判の青色のファイルの背表紙に「M事案」「本省指示(調書等)備忘」などの文字が印字されていた、と説明したという。「M事案」の語句は、国が6月に開示したメールの中にもあり、「森友学園についての事案」を指すとみられる。

 雅子さんは「夫は苦悩しながらファイルを残したと思う。黒塗りの部分もあり、知りたいことがある」と語った。(米田優人)

テレビ映画 "The Underground Railroad" を観た

  2016年にダブルデイから出版されたコルソン・ホワイトヘッド(Colson Whitehead)による歴史創作小説・"The Underground Railroad"(「地下鉄道」)*1

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コルソン・ホワイトヘッド著「地下鉄道」

 ピューリツァ賞を受賞したこの歴史創作小説は未読だが、マイアミでおこなわれたブックフェア([The Underground Railroad] | C-SPAN.org)での著者の朗読とお話、そして質疑を聞いた。

 舞台は、19世紀、ジョージア州。奴隷の立場に置かれているコーラ(Cora)という黒人女性がシーザー(Caesar)という同じく奴隷の黒人男性から北に逃げようという申し出を受けるのだが、小説は、その申し出に対して断るところから始まる。

 その後、コーラはシーザーの申し出を受け、北へ逃げる…。その逃げるコーラを執拗に追いかける奴隷捕獲業者リッジウェイ(Ridgeway)。

 はたしてコーラの運命は…と、物語は展開していく。

 

   著者であるコルソン・ホワイトヘッド氏はニューヨーク生まれニューヨーク育ちで、小学4年生のとき、The Underground Railroadについて学校で習った。

   The Underground Railroadとは、アメリカ合州国の歴史で習う「(秘密の)地下鉄道」のことだが、これは比喩的に言っているのであって、文字通りの鉄道をさすのではない。19世紀、奴隷制が認められていた合州国南部の諸州の黒人奴隷が自由を求めて奴隷制が廃止されていた北部諸州、ときにカナダまで亡命することを手助けした奴隷廃止論者や市民組織のことをいう。または、その亡命ルートそのものをいう。「地下鉄組織」と訳されることもある。

 著者のコルソン・ホワイトヘッドは、現実と非現実をおりまぜ、満を持して10数年前に構想した歴史創作小説を書きあげた。

 "The Underground Railroad"は、イギリスのThe Guardian の21世紀の100冊の特集の中で30位を獲得している。

www.theguardian.com

 

 この"The Underground Railroad"をバリー・ジェンキンス(Barry Jenkins)監督がテレビ番組作品として10エピソードにまとめた。2021年5月以降プライムビデオ*2で放映されていて、今回10エピソードすべてを見たが、奴隷制における想像を絶する暴力や非道が描かれ、眼を覆いたくなる場面が少なくないが、すばらしい作品だった。

 ネット上でこのテレビ映画のシナリオを見ることができる*3

 IMDbは、このテレビ映画に7.3をつけている。

www.imdb.com

 以下は、このテレビ映画に対するイギリスのThe Guardianのレビュー。

www.theguardian.com

 小説では、黒人奴隷の亡命を手助けする人的ネットワークと地下鉄道が交錯されて描かれているようだが、合州国史において実際に亡命を支援した人的ネットワークはどのようなものだったのか。

 深南部から北部へのルートについては、たとえば、以下、National Geographicに説明している地図がある。

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Underground Railroad : Routes to Freedom (from National Geographic)

 上記の地図の出所のナショナルジオグラフィックが以下のサイト。

www.nationalgeographic.org

 

 以下、National Geographicの地下鉄道について。

 1810年から1850年にかけて、この地下鉄道によって、10万人の黒人が助けられたという統計もある。

www.nationalgeographic.org

 以下は、History サイト。

 黒人奴隷廃止論者の多かったクエーカー教徒のはたらきについて触れている*4

www.history.com

 コーラは、ジョージア州(Georgia)からサウスカロライナ州(South Carolina)、ノースカロライナ州(North Carolina)、テネシー州(Tennesee)、インディアナ州(Indiana)と、北へと逃亡する。アメリカ合州国の13の植民地の13州の中で、ジョージア州サウスカロライナ州は奴隷州を維持できる条件でアメリカ合州国に加わった。ノースカロライナ州*5を含め13州のうち6州は奴隷州として残った。その後、18世紀後半、13植民地から領土拡大をすすめ、テネシー州は奴隷州だったが、18世紀に州となったインディアナ州は自由州だった。こうして奴隷制度のありようにおいて、さまざまな状況があり、南北戦争へと突入していくわけだが、コーラが新南部のジョージアから北へ逃亡するとき、彼女は歴史と社会の必然性と偶然性に巻き込まれ、奴隷制度のさまざまなあり様に遭遇せざるをえない。たとえば、一般白人の宗教心や社会観。ネイティブアメリカンと同じく、人種研究に関心のある"善良"な"善意"の白人。白人からみた「良い黒んぼ」「悪い黒んぼ」。黒人の子ども*6が朗読する「独立宣言」(The Declaration of Independence)。黒人の自治が許されているユートピアともいうべき黒人共同体の農場…。

 アンネフランクや漫画家のちばてつやさんは子ども時代に中国で体験した屋根裏や地下での逃亡生活を余儀なくされた。日本でいえば戦前の暗黒政治に対する闘争、ヨーロッパでの反ナチズム闘争、北アメリカ大陸奴隷制に反対し亡命者を助けたのは、人種や国家を超えた、人権擁護に立ち向かったヒューマンネットワークにほかならない。

   機会があれば、'The Underground Railroad' を読んでみたい。

 

 以下、メモ書き。

 テレビ映画"The Underground Railroad"は、過激な暴力シーンや暴言が出てくるため、PG13扱い。その点では、教育的配慮が必要で、プライムビデオで限定的にテレビ放映しているのも、子どもに簡単に見せないようにする配慮もあるのかもしれない。

 記憶に間違いなければ、"Study War No More"の唄が出ていたように思う*7

*1:"The Underground Railroad"は、2017年12月に早川書房から谷崎由依訳で訳書が出ている。

*2:アマゾンプライム会員であればプライムビデオを見ることができる。

*3:The Underground Railroad - TV Show Transcripts (ourboard.org)

*4:次もHistoryサイトより。8 Key Contributors to the Underground Railroad - HISTORY

*5:近年、歴史上の人権侵害についても向き合って謝罪する傾向が出てきている。たとえば、以下、参照。奴隷制謝罪、補償へ/米南部州の市議会が決議 (jcp.or.jp)

*6:Pickaninnyというピジン英語が紹介されていた。Pickaninny - Wikipedia

*7:"Study War No More"はPete SeegerのWeaversで知られる。この唄は、「戦争はもういやだ」というタイトルで「傷つき倒れるのは 俺たちだけさ 戦争はもういやだ」「武器を捨てろ 海の底へ」という替え歌で知られている。

「秋元議員に懲役4年の実刑判決 IR汚職・証人買収」

以下、朝日新聞デジタル版(2021年9月7日11時52分)から。

www.asahi.com

 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり、収賄と組織犯罪処罰法違反(証人買収)の罪に問われた衆院議員の秋元司被告(49)に対し、東京地裁は7日午前、懲役4年、追徴金約760万円(求刑懲役5年、追徴金約760万円)の実刑判決を言い渡した。丹羽敏彦裁判長は「特定の企業と癒着し職務の公正を損なった」と述べ、秋元議員の無罪主張を退けた。

 判決によると、秋元議員はIR担当の内閣府副大臣だった2017~18年、IR事業の参入を目指す中国企業側から現金や旅費など計約760万円の賄賂を受領。保釈中の20年6~7月には、捜査段階で賄賂の提供を認めた贈賄側に、公判でうその証言をするよう報酬を示して働きかけた。

 判決は、300万円の現金供与があったとされる議員会館での贈賄側との面会について、「客観証拠から贈賄側の証言は十分に信用できる」と判断し賄賂の授受を認めた。証人買収も「秋元議員が主導した」と認定した。

 また、収賄罪の共犯に問われ秋元議員と一緒に審理が行われていた元政策秘書の豊嶋晃弘被告(42)に対しても、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。

 検察側は論告などで、秋元議員がIR関連法案の進捗(しんちょく)状況などを贈賄側に伝えたと指摘。証人買収では、買収資金の一部を自ら用意して事件を主導したと主張した。

 一方、秋元議員側は「事件はフィクションだ」と全面無罪を主張した。議員会館で300万円を受け取ったとされる17年9月の贈賄側との面会は、スケジュール表やスマートフォンのアプリの記録から「議員会館に行っていない」と反論。旅費なども「支払いは秘書に任せていた」と関与を否定し、証人買収も「うそを言うように依頼していない」と述べていた。

 秋元議員は衆院東京15区選出の3期目。東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された19年12月に自民党を離党し、現職の国会議員のまま公判を受けた。現職国会議員の逮捕は約10年ぶりだった。

(後略)

(川嶋かえ)