テレビを買おうと思った。8月21日のことだ。
12日前にアメリカ合州国のロサンゼルス空港に着いてからというもの、ホテルではテレビばかり観ている。ロサンゼルス空港近くのチボリホテルでも、ダウンタウンのクラークホテルでも、そしてサンフランシスコのヴァージニアホテルでも、ホテルに入るとすぐにテレビのスイッチをひねっていた。映画”Being There”のピーター・セラーズのように、現実の世界より現実を映し出しているテレビの方を見たかった。
サンフランシスコに半年間住むアパートを4日前に決めた。そのアパートには、備え付けのテレビはなかったから、白黒テレビを買うために外出したというわけだ。
テレビを買う目的は、英語の勉強のためだから、カラーでなしに白黒テレビで十分である。