夜のアクティビティ、土ボタル観察に参加する

 オライリーの第一日目はまだ終わらない。夜のアクティビティで、今夜は土ボタルを見に行くのである。バスに乗り込むと、「土ボタルを見るのはむずかしくありません。年々、土ボタルを見るまでの時間が短くなっています」と、ユーモラスにティム=オライリー氏が言う。
 土ボタルを見に行く現場は今日午後に歩いた最終地点の場所付近とのことであった。その場所に到着して、夜空を見上げると、まさに満天の星!東京には、空がなかったけれど、夜空もなかった!で、この夜空は凄い!ティム=オライリー氏が自分の懐中電灯を夜空に向けると、懐中電灯の光線がまるでプラネタリウムのように、夜空にくっきりと光の跡が見えるのだ。この満天の星は本当にすごい。今度は本格的な地学の授業である。こういうフィールドがあれば、子どもはほっておいても、いろいろなことに興味を示すに違いない。いや、興味を起こさざるをえない。それほどの迫力をもった、これは本格的なフィールドである。
 夜空の星ツアーでも充分に良かったのだが、主賓は土ボタルである。その土ボタルを見に歩き始める。土ボタルは、じめじめしたところを好むようで、われわれは川の土手に向かった。そのフィールドに来て、参加者が一斉に懐中電灯を消すと、一面に、土ボタルである!先ほどの満天の星とは、数の上で負けるけど、でも、これもスゴイ!いつまで見ていても全く飽きることがない。実際、最後の最後まで私は土ボタルに見とれていて、またまた、最後尾を歩くことになってしまった。
 帰り道、野原のような場所に、パッと懐中電灯をあてると、ポッサムやワラビーが見えた。クレイドルマウンテンのときにもナイトツアーで、夜行性のこうした動物達はたくさん見たので、私にとってはどうってことなかったが、それでも、懐中電灯を当てれば野生の動物が見えるという時間は至福の時間である。
 満天の星をみながら、バスに乗り込み、バスにゆられてゲストハウスに向かった。ガタガタ道をバスに揺られながら、私の心は十二分に満ち足りていた。