ケーシーとの二人暮し

 最近、朝は7時30分頃から8時頃まで、アレックス語自慢のスパに入るのが日課となってしまった。まさに朝風呂である。スパは外の部屋にあるのだが、家屋続きの部屋になっていて、蒸気を抜くために壁の上部に排気の窓が開いているから、日光がさすとスパから登る湯煙が見える。小鳥のさえずりを聞きながら入るスパは大変気持ちがいい。
 朝食のお気に入りは、トーストにマーガリンを塗り、その上にマーマイトを塗って、さらにその上にアボガドを塗りたくる奴がお気に入りになってしまった。アレックスとジュディはその上に塩とコショウをふりかけるが、塩とコショウは、私は遠慮することにしている。
 アレックスとジュディの家も、この辺の家と同様に、平屋である。食卓に座っていると、左側も前も右側からも、空が見える。日光がさすときなどは、冬なのにまぶしいくらいだ。それにこちらの空は本当に広い。ニュージーランドで私が気に入っていることのひとつは、空が広いことだ。
 昼飯は、ワイカト大学(The University of Waikato)にいるときはボンゴカフェで食べる。チャーハンにカレーとか、煮込んだチキンとか、野菜炒めとカレーとかを食べることが多かったが、最近は家で野菜入りの即席ラーメンをつくることも少なくない。
 夕食を済ませ、洗い物を済ませたあとは、WEBカメラで映像を見ながら、インターネットを使って、ボイスチャットで、いわばテレビ電話をおこなうことも増えてきた。
 夜は、猫のケーシーが私の膝の上で気持ちよさそうに寝ることが日課となってしまって、すっかりアレックスのお気に入りのケーシーとの二人暮しになっている。