スパが暖まらないのでオーストラリアに電話をかける

電話機

 ハミルトン(キリキリロア)は、最近少し寒い。冬だから当たり前なのだが、厳寒というのではない。ただ7月が一番寒いのかと思ったら、もう9月になるというのに、ストンと気温が落ちる日がある。そういう時は、アレックスのスパが非常にありがたいのだが、二日前から何故か朝暖かくない。時間がセットされていて、いつも朝風呂が入れるようになっているのに、二日前はなんだかぬるくて、昨日は全く暖まっていなかった。アレックスからスパのメンテナンスについてはざっと聞いてノートも取っていたのだけれど、原因について皆目見当がつかない。
 昨晩、夕方の6時30分に、オーストラリアのタウンズビルの長男の家に電話したら、アレックスが出た。オーストラリアのタウンズビルは、4時30分だという。「2時間の時差があるんだよ」と言われた。ジュディはゴルフに出かけているようだ。相変わらず彼らはゴルフ好きだ。「息子さんとの家の手直しは終わったの」と聞くと、「順調だけど、完成はまだまだ」という。
 「申し訳ないけど、この電話代、そちらに請求が行きますよ」と私が言ったら、アレックスは笑ってた。私の自室の電話回線には、パソコンしかつながっていない。新しく電話機でも買おうかなと思うこともあるけれど、基本的に電話嫌いの私としては、アレックスの電話を使わせてもらって、これまでにトムやマーガレットに電話をしたことがある。アレックスの4人の子どもにはそれぞれ短縮ダイヤルがセットしてあって、電話機にMEM(MEMORY)ボタンがあり、MEM01とかMEM02とか押せば、それぞれの子どもにつながるのだ。
 アレックスは、私が車を買ったことも知っていた。どうやら長女のマーガレットが電話したらしい。「今週末にマーガレットの家に遊びに行くのだろう」と、アレックスから言われた。どうやら、そういう話になっているらしい。マーガレットときっちり約束したつもりはなかったのだが、それならせっかくだから、タラナキ山に行く予定を立てようか。ただし、ケーシーの面倒をまたお願いしないといけない。
 アレックスに肝心のスパのことを聞くと、「パイロットの火がついているのなら、フィルターにゴミがつまっているのだろう」という。そういえば、ときどきフィルターの掃除をしろと、アレックスに言われていたことを思い出した。「フィルターの掃除をして、スパをつけるスイッチを入れて、全部のガスがつくかどうか見てみろ」という。
 昨晩は雨だったのだが、もうもうたる湯煙のスパが恋しくてしかたのない私は、懐中電灯を持ってわざわざ外に出て、フィルターを掃除してスパのスイッチを入れてみたら、ガスが全面点火するのが確認できた。
アレックスの家で、何が一番わたしが気に入っているかというと、なんといってもこのスパなのである。これでまた暖かいスパに朝入ることができるかと思うと、なんとも嬉しい。