うなぎを食べる話

 マオリはうなぎも食べるという話になったときに、彼もうなぎは好きだといって、フリーザーを見せてもらった。この冷凍庫はジュディの家にあるのと同じくらいの大きさだったが、冷凍うなぎが三匹ほどパックされているものが中に入っていた。なんでも、この近くにうなぎをスモークする工場があるらしく、フランスなどに出荷しているという。マオリも日本人もうなぎを食べる。以前ロンドン紹介の番組でうなぎが登場したのを観たことがあって、イギリス人がうなぎも食べる*1ことは知っていたけれど、それでも、いわゆる西洋人にとっては、うなぎなんか気持ち悪いと思っているだろうと勝手に推測していた私には、ジョンの話はなかなか面白かった。その冷凍うなぎは丸ごと一匹で、結構大きいから、私が見てもけっして気持ちのいいものではなかったけれど、「どう調理するの」と聞くと、「すでにスモークされているからレンジで戻すだけだ」という。「さすがに頭は食べないんでしょ」と聞くと、「頭は食べない」とジョンは言った。
 オークランド日本食が安くてうまいところがあるから、今度来たときには、オークランドを案内してくれるという。ニュージーランド人は、気持ちがおおらかな人が少なくない。
 こうして、全走行距離は、216キロにもなってしまったが、今回の旅はとても充実した旅となった。

*1:うなぎは、労働者向きの、テムズ川の食材として有名。うなぎはぶつ切りで、うなぎゼリーやうなぎシチューにして食べた。