豚しゃぶの後は、シンプルな醤油ラーメンでしめてみた

 アレックスとジュディの次女のジョニとトム、中国人高校生のティアンが来た。
 サンダーは来ないという。結構これがあるんだよね。作り過ぎたり、材料を買いすぎて困るんだ、これが。
 トムとジョニはアルコール飲料を一切飲まないから、まず、ソフトドリンクを飲んでもらって、私も今夜はつきあって、ジンジャエールだ。
 まずは、刺身とスシ。今日のおつくりは、ホタテとスナッパー(鯛)、それにお望みならキナがあるけど、彼らはキナは苦手だろう。
 ジョニは、ホタテがおいしいと言った。想像した通り、トムは生魚はかなり苦手のようだ。ティアンに寿司を食べさせるのは、これで二回目だから奴は大丈夫。
 さて、しゃぶしゃぶだが、困るのが鍋である。シャブシャブ用の鍋なんかないので、中華系の電気ウォク(中華鍋)を代用することにした。
 出汁は、コブで取り、しょうがの固まりとニンニクの固まりを叩いた奴と、葱のぶつ切りを豪快に入れて沸騰させ、いよいよ客人にしゃぶしゃぶしてもらう。しゃぶしゃぶというのは、オノマトペで、コトバを繰り返して使うところがマオリ語に似ている*1
 たれは、おろし金がないので、チーズ用のおろし金で、大根をなんとか誤魔化しながらすり、そこに醤油とラー油を入れた自家製タレを作っておいた。ジョニは、このタレが結構おいしいと言ってくれた。
 アジア系食材店で、ゴマダレとポン酢を買っておいたのだが、ジョニはポン酢もいけると言ってくれる。トムは、何だか違うものを食べているという様子で、ホタテまでしゃぶしゃぶしている。
 生魚を食べるなんて、生まれて初めての経験で、生理的に受けつけないようだ。ティアンは、しゃぶしゃぶに慣れているようで、結構食べている。
 私も食べることも食べているが、アク取りに精を出しながら、日本料理の説明をする。
 中華用ウォクの唯一難点は、しゃぶしゃぶ用じゃないので、温度の設定がかなり高温設定であることだ。
 低温の範囲で、適温に設定できる範囲がない。だから沸騰させるか、電気を切るかしかできない。これが唯一難点だ。
 仕上げは、アジア食材店で購入したラーメンだ。
 日本でNO1のラーメンという触れ込みなのだが、聞いたこともない会社のラーメンを二束入れる。生のラーメンもあるのだが、中華系の固いラーメンで我慢した方がよいと判断した。このHAKUBAKUのorganic ramenというのは、マルちゃんラーメンのような乾燥系なので、私は結構いけるのではないかとにらんでいたが、これがなかなかうまかった。
 しょうが、にんにく、葱、豚肉のスープだから、まずくなるはずがない。醤油で薄く味つけをして、ラー油を少し入れたらできあがり。
 ラーメンの食べ方では、「すすって音を出して食べちゃダメ」(Do not slurp.)というのがこちらの最低限の礼儀なのだが、日本で麺類、とくに日本蕎麦は、音を出して空気と一緒に食べないといけないと、私は祖父から躾けられた。
 そうした日本の食文化の説明をしたりして食べているから、結構忙しい。この点、ニュージーランドの食文化は、作ったら、あとは落ち着いて会話を楽しみながら食べるだけだ。
 考えてみると、しゃぶしゃぶは結構忙しい料理であることに気がついた。
 さて、今晩の夕食を全体として考えると、なかなか見事だったと自分では思う。
 みんなの感想はどうかというと、もちろん、ご夫婦は「おいしいおいしい」と言って食べてくれたけど、私の想像するところ、「かなり違う食べ物だけど、食べられるな」ほどのレベルじゃないかなと、私は踏んでいる。
 日本人なら、小躍りして食べてもらえたと思うのだけどね。
 ティアンにはおいしかったと思うけれど、こいつはまだ礼も満足に言えない高校生だ。それでも、今日は英語クラスでトップの成績を取ったらしい。
 ティアンは、なかなか可愛い奴だ。

*1:マオリ語にも、本をあらわすプカプカや、ダンスを意味するカニカニなど、繰り返しが多いものが少なくない。