ロンドンの同時テロで誤射か

amamu2005-07-25

 ロンドンの同時テロに関連して、容疑者と思われる人物が射殺されたことについて「容疑者は挑戦的で、指示に従わなければ射殺するぞという指示に従わなかったというが、CNNの報道や新聞記事からは、ほとんど問答無用で5発弾丸がぶち込まれたという印象を私はぬぐえないのだが、警察当局が警戒を強める中、ロンドンという大都市がカオス的状況になりつつあることに間違いはない」と23日のブログで書いたのだけれど、アジア人ではなくブラジル人で、なおかつ誤射だった可能性が高いと毎日新聞が報じている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050725-00000001-mai-int
 これがもし本当だとすれば、あまりに悲惨すぎて、言葉もない。
 私の記憶に間違いがなければ、ブッシュ大統領は、今回のロンドンのテロに対して、「テロに屈してはならない」("Not yield to terrorists.")というような英語を用いてたように思う。一体全体、どちらがテロリストなのか、意味論的混乱はないのかという問題を除いても、terroristsに定冠詞のtheがつかず、無冠詞で、複数形というのが私の耳に残った。無冠詞で複数形なんて、つまり、テロリストなんてどこにいるのかもわからず、限定できないということではないか。
 今回の事件でも、テロリストと誤解されて誤射されて殺されるなんて、これもどちらがテロリストなのか、意味的混乱がある。客観的にみれば、私服警察官の方がテロリストで、殺し屋(killer)だ*1
 肝に銘じたいのだが、暴力は暴力しか生まない。暴力に対して、力で対抗することの無意味さを今回の事件も如実に示している。
 暴力の連鎖を断ち切るには、非暴力という思想で「武装」した世界市民の連帯しか残されていないのではないか。
 以下のサイトでBBCが事件を報じている。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4711779.stm

*1:このブログを書いてからCNNを見ていたら、ロンドンで警察官に抗議する人たちが、やはりkillerと書いたプラカードをもって抗議をしていた。当然であろう。