現代においては"xenophobic"は知らないといけない語彙のひとつである

amamu2006-02-16

 IHTに掲載されていたのだが、Martin Burcharthというデンマーク人記者の書いた”Denmark’s problem with Muslims”という意見記事を興味深く読んだ。
 この記事によれば、「われわれデンマーク人は、ここ数年間ますます外国人嫌いになってきている」(“We Danes have grown increasingly xenophobic over the years.”)という。
 このxenophobicは、「外国人嫌いの」「外国人恐怖症の」という意味で、If you describe someone as xenophobic, you disapprove of them because they show strong dislike or fear of people from other countries.(Cobuild)ということだ。
このxenophobicは、Xenophobic nationalism is on the rise in some West European countries (Cobuild)というように使う。
 このxenophobia(「外国人嫌い」)というコトバは、xenophilia(「外国人好き」)というコトバとともに私は知っていた*1。xeno-は、「異種の」「外来の」の意味で、phobiaは、「恐怖症」「嫌悪」の意味だ。
 この記事によれば、2、30年前はデンマークにはムスリムが全くいなかったのだが、今では人口540万人のデンマークに、20万人ものムスリムがいるという。
 それで、「他人に対して寛容精神があると評判のデンマークは、今や神話である」(”Denmark’s reputation of tolerance toward others is something of a myth.”)という。
 最近、保守派人民党の文化省の大臣が各分野で著名な文化人にデンマークの文化的古典を尋ねたそうだが、これは文化戦争における防衛闘争という位置づけのようだ。右派の政府与党は、移民を快く思わない人民党を数に入れて、ようやく多数を占めるという。
 だから今回の問題は、表現の自由の問題というよりも、ムスリムに対する敵意の増大という性格が強いというのである。
 IHTのこの記事は以下の通り。
http://www.iht.com/articles/2006/02/12/opinion/edoped.php

*1:このブログでも、xenophobia, xenophiliaというコトバを使ったことがある。