今回の事故の根本原因、二重の柵にしなかった行政の責任が問われるべきだ

 私が言いたいことは、こうした高校生監視員の一人ひとりの責任を問うということではない*1。そうではなくて、今日の朝日の夕刊によれば、ふじみ野市が「文部科学省が7年前から、吸水口のふたの設置の確認やネジ、ボルトでの固定などを文書で求めていたにもかかわらず、市民プールが対象になることを見落としていた」(8月3日朝日新聞夕刊)という。これこそが、今回の事故の最大の原因に他ならないと私は思う。つまり、市が、「プールには吸水口という「悪魔の穴」がある」ということをどれほど認識していたのかということだ。
 「市教委によると、文書は、①排(環)水口のふたの設置の有無を確認し、ふたがない場合は早急にネジ・ボルトで固定すること ②吸い込み防止金具を丈夫な格子金具とする ③いたずらなどで簡単にとりはずしできない構造とする」というのが文部科学省の文書らしい。
 例の「吸水口は文中の「環水口」にあたるという」ことだそうだが、この文面だけでは「ふた」という概念が私にはよくわからないし、二重にしかければならないのかという点もよくわからない。けれども、二重の柵にすれば適切に対処したということになるだろう。私の言う二重とは、今回の外側の「ふた」と同時に、まさに吸水口に直接「格子金具」の「ふた」をすべきだったと思う。
 今回の事故の教訓はこれに尽きるのではないか。つまり、吸水口から吸い込まれないように、外側と内側に二重の柵をする。これに尽きるように思う。アルバイトがどうのこうの、マニュアルがどうのこうのということはあるけれど、根本原因は、この二重の柵を結局設置しなかったということにある。
 そうした決定的原因を確認した上で、以下は私が日頃感じていることなので読み飛ばしていただいても構わないが、私としては重要なことだと感じているので書く。

*1:もちろん、より正確で適切な判断力のある監視員がいれば、それだけでも今回の事故は防げたという意味においての責任はあるけれど。