新藤兼人監督の映画「第五福竜丸」を観た

第五福竜丸

 ビキニの水爆実験で放射能汚染された第五福竜丸の悲劇*1を、ドキュメンタリー風に撮った力作。今回初めて観たが、「第五福竜丸 [DVD]」は素晴らしい映画だ。
 原水爆という万物絶滅(オムニサイド、Omnicide)を可能にする恐ろしい兵器というよりは装置体系の出現によって、人類というコトバがこれほど活性化された時代はないだろう。恐ろしい放射能の灰によって第五福竜丸の乗組員が被爆し、マグロが汚染されたわけだが、あの水爆実験によって被災したのは第五福竜丸ばかりではなかった。そもそも太平洋の島々には現地の人間が住んでいたわけだし、漁船だって、第五福竜丸ばかりではない。たくさんの漁船、たくさんの魚が汚染されたのだ。原水爆は最大の環境破壊の原因と言わなくてはならないし、人類への最大の挑戦だ。
 3・1ビキニデーを知らない若者たちに、この映画を是非観て欲しい。

*1:第五福竜丸の水爆被災は1954年に起きた。