さて、鞍山から瀋陽へ向かう。
瀋陽は東北地方の中心都市であり、鞍山から瀋陽までは約89キロほど離れている。
瀋陽の南側には川が流れていて、中国では川の北側を陽、南側を陰といい、瀋陽は川の北側に位置することから瀋陽という名前がついたという。
瀋陽は、清朝が北京に遷都するまでは国都とされ、盛京と呼ばれていた。その後は奉天とも呼ばれたが、1911年の辛亥革命を経て再び瀋陽となった。戦前の「満州国」時代は、日本によって再び奉天と呼ばれたが、日本の敗戦後、再び瀋陽という名前に戻った。
こうした歴史から瀋陽には、日本支配時代の建物が残っている。たとえば、日本の東京駅に似ている現在の瀋陽駅は、その昔、奉天駅と呼ばれていた。
瀋陽は、戦前の「満州国」の拠点であり、日本軍国主義に対しては、他の地方よりも今なお厳しい眼で見られているという。