瀋陽の四星ホテル

 今晩から二晩泊まる新世界酒店(New World Hotel Shenyang)は、四星ホテルだという。大連賓館の古さから比べれば、このホテルは新しく現代的だ。部屋は広くはないが、英語圏の人間でも泊まるようなホテルで、ジムやビリヤード、喫茶室など、アメニティも充実しているようだ。
 暇つぶしにビリヤードをやりに行ってみる。ところが、四星ホテルだというのに英語が通じない。そもそもビリヤード場やジムに客がいない。ビリヤード台もカバーがかかって使っていないようだし、ジムも中国人が一人やっているだけだった。廊下で最初の女性職員と話をして1時間18元と理解した私が、次にビリヤード担当の女性職員と話をしてわかったことは、1時間80元ということだった。これはべらぼうに高い値段だと思い、アホらしくなってやめた。
 代わりに喫茶室で飲み物でも飲むことにした。ハイネッケンビールと紅茶を頼んだら50元くらいで、サービス料15%を入れて60元ほど取られた。ここでも英語が通じない。
 言語帝国主義的に「英語が通じないなんて国際的でない」ということが私の言いたいことではない。来年は北京オリンピックがあり、瀋陽はサッカーの開催都市である。中国人はきわめて実用的な生き方をしているから、客がいれば、英語だって日本語だって習得するストレートな発想をする民族ではないのか。日頃からそう考えている私は、ようするに、ここ瀋陽の四星ホテルには西洋人がそれほど来ないのだと勝手に判断した。