「逝き去りし人々への想い」(講談社)を購入した。
いわゆる追悼文集だが、以前購入した「さようなら ー惜別の譜」(2004)の29名が含まれている。
その点で、あらたに掲載されいて、個人的に紹介したい方々は以下のとおり。
芝生瑞和氏、三浦敬三氏、中尾佐助氏、萱野茂氏、小田実氏、筑紫哲也氏、梅棹忠夫氏。
すばらしい教授が東洋大学におられることを長女から聞いたのは、たぶん入学して半年くらいのころだったと思います。自分の経験からしても言えるのですが、大学なんていい先生に出あえるかどうかに最大の意味があるのではないでしょうか。先生よりも「〇〇大学卒」の看板に目的がある学生生活では、せっかくの大学時代が実りあるものにはなりますまい。日本の大学制度にも関係しますが、「△△教授がいるからその大学に行く」とか「▢▢教授の講義を目的に大学を移ってあるく」といった例が欧米には珍しくないそうですね。極論すれば、本当に師事したい先生が一人でもいて、それに深く接することができた大学生活なら、それだけでその学生の人生は祝福さるべき門出だったと言えるほどです。(「太田勇」 p.192)
三浦敬三氏は、亡くなったとはいえ俺なんかより三〇歳ちかく年長だったのだから、大先輩としてまだ当分「目標」たりうる。このさい山スキーをやったことのない人にも、ゲレンデを捨てて全山スキー場たる山スキーへの”転向”をすすめよう。スキー技術はベテランの必要など全くなく、ただ確実であればよろしい。(俺だってヘタクソです。)ゴルフはゴルフ場がないとできないが、山スキーなら自然のままですべてがスキー場なのですよ。今冬は雪が異常に多いから、特に三月からの春山や初夏にかけてが楽しみである。ただ一点、ナダレなどが多そうだから、一行の中の少なくとも一人は雪山の経験が豊富なこと。
やっぱり思う。三浦敬三氏と一度はご一緒したかったなあ。(『週刊金曜日』二〇〇六年三月三日号)
(「三浦敬三」 p.356)