都立高入試にあらたな英語スピーキングテスト(ESAT-J)導入。
ひとつの問題点だが、不受験者の扱い方が入試における公平性・公正性が保てないのではないかとの質問に対して「何か釈然としませんですね」と末松文科大臣も答弁せざるをえなかった英語スピーキングテスト*1。
この11月に実施予定とのことだが、なぜこうした欠陥だらけの試験がいまだに中止されることなく実施されようとしているのか不思議でならない*2*3。
なぜ即刻中止にならないのか、まことに不思議だ。
さらに不思議な点は、報道も少なく、広く社会的に知らされていないのは、なぜなのか。
問題山積みのスピーキングテストについて「TBS森本毅郎スタンバイ!(2022年5月24日)」で触れたことがあると知って、YouTubeを探してみた。全体の放送は簡単に見つけることができたが、その箇所だけ切り取られたYouTubeはなかなか見つけることはできなかった。中止運動がもっと広がっていれば、もっと簡単に見つけられただろうにと思うと、こうしたわかりやすい放送がもっと拡散してほしいと願う。
いろいろとインターネットをブラウズして、TBSラジオのサイトらしきものを見つけた。要約もありわかりやすい。「取材 中村友美」との記載があり、番組内で森本毅郎氏が中村友美ディレクターと呼んでいたので、TBSラジオサイトに間違いないだろう。番組そのものも聞けるようだが、ただ「radikoタイムフリー」なるものにアクセスしなければならないのが面倒だ。「タイムフリー」を調べたら、「「タイムフリー」機能は、過去1週間以内に放送された番組を遡って聴くことのできる無料の機能です」とある。なんだ、結局、聞けないということが判明した。
「radikoタイムフリー」を使うことができないとわかり、さらにブラウズ。以下のブログに巡り合うことができた。
放送の書き起こし要約と、「TBS森本毅郎スタンバイ!」のスピーキングテスト報道の箇所だけ切り取ったYouTube(約7分30秒)も貼りつけてある。
いずれにせよ、7分30秒と短いながら、「TBS森本毅郎スタンバイ!(2022年5月24日)」は、このテストの問題点、その要点がよくわかるので、ESAT-Jについてよく知らない方にはおすすめです。番組には大津由紀雄慶應大学名誉教授が出演している。
次は、「入試改革を考える会」による「都立高入試へのスピーキングテスト導入中止を求める緊急アピール」(2022年5月9日)。
「入試改革を考える会」の呼びかけ人は、代表が大内裕和氏(武蔵大学教授)。他の呼びかけ人は、宇都宮けんじ(「希望のまち東京をつくる会」代表)氏、鳥飼玖美子(立教大学名誉教授)、前川喜平(現代教育行政研究会代表)ら*4。
その緊急アピールが以下で読むことができる。
とくにスピーキングテストの点数化のしくみ・換算の仕方の問題点がよくわかるところが秀逸。*5
以下は、都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めるChange.orgの電子署名。
呼びかけ人は、池田真澄(新英語教育研究会会長)氏。江利川春雄(和歌山大学名誉教授)、大津由紀雄(慶應大学名誉教授)、鳥飼 玖美子(立教大学名誉教授)ら。
賛同人に、乾彰夫(東京都立大学名誉教授)、大内裕和(武蔵大学教授)、児美川孝一郎(法政大学教授)、佐藤学(東京大学名誉教授)、瀧口 優(白梅学園短期大学教授)、本田由紀(東京大学教授)、前川喜平(現代教育行政研究会代表)らが参加されている。
英語教育や教育についての学識者というべき方々が名を連ねている。
以下、新英検による署名協力への呼びかけです。(上記Change.orgに電子署名していただいた方でも以下の署名簿に署名できるとのことです)
PDFの署名用紙・チラシをダウンロード・印刷してお使い下さい。8月26日締切。9月定例都議会に提出するとのことです。
2022年8月18日に夏の市民集会がおこなわれました。お時間のたっぷりある方は、こちらもおすすめ。
以下、都立高校入試への英語スピーキングテスト導入見直しを求める夏の市民大集会。
以下、新英検のHP。
上記の集会の紹介もありますが、図でESAT-Jの問題点をわかりやすく説明している。
以下、ひとつのアンケートに過ぎないが、リセマム・リシードによるESAT-Jについてのアンケート。2022年7月25日から8月3日まで読者アンケートで、111の有効回答によるもの。
次は、朝日系の教育記事。
開示請求に応えない開示不可問題、前代未聞の換算方法の問題、テスト問題漏洩のリスクの問題、次の記事には、タブレット端末を使い回す試験体制の問題などが簡潔に書かれている。
以下は、中止を求める署名の呼びかけ人のおひとり、大津由紀雄氏のブログから。
以下は、スピーキングテストに反対する保護者の方から。
【拡散大歓迎】スピーキングテストに反対する保護者の方が、このテストの問題点を2分20秒にまとめてくれました。要点だけがギューっと詰まっています。これからESATJについて誰かに話そうという方にもってこいです。ご活用ください。#ESATJは止める #ESATJは中止を pic.twitter.com/xkbDgrPPRM
— 都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会 (@hogosha20221127) 2022年8月21日
都立高校入試へのスピーキングテスト導入問題。
公平・公正でない英語スピーキングテストはすぐにでも中止にすべきものと考えます。
繰り返しになるが、問題山積みのスピーキングテストについて、7分30秒と短いながら、「TBS森本毅郎スタンバイ!(2022年5月24日)」は、このテストの問題点、その要点がよくわかるので、ESAT-Jについてよく知らない方にはおすすめである。
ひとりでも多くの人にこの問題を知ってもらい、署名に協力していただきたいと願い、以上アップさせていただいた。
*1:文科大臣も「?」となった都立高入試英語スピーキングテストの構造的問題 | 連載コラム | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
*2:利権的・売国奴的・差別的、なにより教育的でない都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます - amamuの日記 (hatenablog.com)
*3:教育的でない、さらに公平・公正でないスピーキングテストの都立入試への導入はすぐ中止にすべきではないですか - amamuの日記 (hatenablog.com)
*4:呼びかけ人は、大内裕和(「入試改革を考える会」代表・武蔵大学人文学部教授・教育社会学)/
阿部公彦(東京大学大学院教授・英文学)/ 宇都宮けんじ(「希望のまち東京をつくる会」代表)/ 紅野謙介(日本大学特任教授・日本近現代文学)/ 杉田真衣(東京都立大学准教授・教育学)/ 竹信三恵子(和光大学名誉教授・ジャーナリスト)/ 鳥飼玖美子(立教大学名誉教授・異文化コミュニケーション学)/ 前川喜平(現代教育行政研究会代表)
*5:以下、「入試改革を考える会」による「都立高入試へのスピーキングテスト導入中止を求める緊急アピール」(2022年5月9日)より。「また、スピーキングテスト評価の点数化についても疑問があります。中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)は0点~100点で採点した後に、A~Fの6段階で評価します。「80点~100点=A(得点幅21点)」「65点~79点=B(同15点)」「50点~64点=C(同15点)」「35点~49点=D(同15点)」「1点~34点=E(同34点)」「0点=F」と不均等な得点域で分けたのち、A=20点、B=16点、C=12点、D=8点、E=4点、F=0点と4点刻みで配点されます。
この方法だと、例えば1点しかとれなかった人も、34点とれた人も同じくEに評価されて4点が配点されます。つまり最大33点違っても同じ点数になってしまうのです。また1点はEで4点に換算され、0点はFで0点に換算されますから、1点でもとればテストの結果は4点差としてカウントされます。こうして算出されたESAT-Jの得点は、志望校へ送る「調査書」(=内申書)に記載されます。わずか1点の差が合格・不合格を分ける入試において、このような換算方法を採用することが適切であるかどうかは大いに疑問です。受験生・保護者の多くも、この換算の仕方には疑問を持つと予想されます。」