宮崎駿さんの「本へのとびら 岩波少年文庫を語る」を読んだ

本へのとびら

 宮崎駿さんの「本へのとびら 岩波少年文庫を語る」を読んだ。
 「三月一一日のあとに ―子どもたちの隣から」とあるように、「東日本大震災以降、やはり様子が変わって、どうしてもそこに話がいってしまいます」とある。
 個人的に興味深かったのは、この本のなかで宮崎駿さんが石井桃子さんについてたくさん触れていることだった。
 俺が高校一年生のとき、英語の授業で「クマのプーさん」が載っている教科書を使っていた。またサイドリーダーとして、「クマのプーさん」の原書を読まされた。そのとき、英語をきちんと読めなかったから、石井桃子さんの翻訳による岩波少年文庫を買った思い出があるのだけれど、高校生の俺にも石井桃子さんの訳の素晴らしさは理解できた。
 宮崎駿さんがこの本のなかで、「別格! 石井桃子さん」というサブタイトルがあり、石井桃子さんに触れている箇所が多いことに納得がいく。
 

外国の古典的な作品が翻訳して日本に紹介されたのは、岩波の編集部からその仕事を託された石井桃子さんの努力でした。そもそも少年文庫をつくったのも石井さんです。

 あらためて石井桃子さんの仕事の意義を思った。