チェルノブイリ周辺ベラルーシの野生動物の体内蓄積セシウム量

amamu2012-01-18

 旧ソ連チェルノブイリ原発周辺にあるベラルーシ生物保護区では、「1986年の事故後20年以上たっても、野生動物の体内に蓄積したセシウムの量が高止まりし続けていることがわかった」と、18日の朝日新聞夕刊(松尾一郎記者)が報じている。

 この保護区はチェルノブイリ原発の北側にある「ポレーシェ国立放射線生態学保護区」で、面積は2165平方キロ。1988年に設けられた。
 事故で同国に降ったセシウム137の3割(4810テラベクレル、1テラは1兆)、ストロンチウム90の7割(444テラベクレル)、プルトニウムのほとんど(14.8テラベクレル)を含む高汚染地帯だ。人がいなくなったことから「野生の王国」の様相を示している。

 この保護区では、野生動物の筋肉に含まれる放射能物質を調べ続けているとのことだが、「哺乳類などの体内に含まれる半減期約30年のセシウム137の量は、2001年から2005年にかけて下がり気味だったのに、06年から10年にかけて再び増えている動物もある」と、生態と動物相の研究をしている担当者が説明したという。また増えたメカニズムはわからないが、「全体的に「高止まり」の傾向が続いている」「個体差が大きい」とのことだ。


 記事によれば、東京電力福島第一原発事故を受けて、福島県でも、「昨年10月からイノシシ、ツキノワグマ、キジ、ヤマドリ、カモ類、ニホンジカといった狩猟対象の動物について、セシウム137と、半減期約2年のセシウム134の筋肉内の蓄積量をそれぞれ調べ、約2週間おきに公表している」とのことだ。