Peter DennisのWinnie-the Pooh, The House At Pooh Corner, When We Were Very Young, Now We Are Sixの朗読CD

Peter Dennisの朗読CD

 A.A.MilneのWinnie-the-Poohシリーズだが、Peter Dennisが朗読しているものを以前入手し、iPodに入れてたまに聞いている。
 8枚のCDで、8時間。A.A.MilneのPooh Classicsが収録されている。
 "The House At Pooh Corner"の"In which a house is built at Pooh Corner for Eeyore"は、高校時代に読んだが、内言語としてこうした音声で「読んで」いたかといえば、もちろんえらく違うものだったろうと思う。リズムも、スピードも、まるで別のものとして読んでいたのだと思う。
 いま、プーさんを教材として私が教えるとすれば、言語指導と言語活動指導を組み合わせて教えることだろう。「和訳先渡し授業」として、石井桃子さんの和訳を渡すことだろう。そして、語彙や文法などの言語指導をおこなうと同時に、スピード・リズムの重要性を教えるためにPeter DennisやLionel Jeffriesの朗読を聴かせるだろう。
 
 Peter Dennisの朗読で"In which a house is built at Pooh Corner for Eeyore"などを聞くと、まるで落語である。
 繰り返しの畳みかけるようなリズムが楽しめる。

 たとえば、プーさんがイーヨーのために家を建ててあげようと提案する場面。
みんな家を持っているという同じテーマで繰り返して、家を持っていないイーヨーの不幸を逆接のbutで強調する。

 "You have a house, Piglet, and I have a house, and they are very good houses. And Christopher Robin has a house, and Owl and Kanga and Rabbit have houses, and even Rabbit's friends and relations have houses or somethings, but poor Eeyore has nothing. So what I've been thinking is: Let's build him a house."


 またイーヨーに同情しイーヨーを助けるべくクリストファーロビンが、防水の帽子と防水の長靴と防水のマントを素早く身につけて出かける場面は、この3つの防水グッズを素早く音読するピーターデニスの表現技術ににんまりとしてしまう*1
 

 He was already back in his house, putting on his waterproof hat, his waterproof boots, and his waterproof macintosh as fast as he could.


 そしてイーヨーのために善行をしていたつもりのプーとピグレットがとんでもない自分たちの大失敗に気づき、にもかかわらず、正直にイーヨーに言えない場面。
 

And Pooh and Piglet listened, and their eyes seemed to get bigger and bigger.
"Where did you say it was?" asked Pooh.
"Just here," said Eeyore.
"Made of sticks?"
"Yes."
"Oh!" said Piglet.
"What?" said Eeyore.
"I just said 'Oh!' said Piglet nervously.


 値段的にもreasonableな*2このBoxed Setを英語を学ぶ人に推薦したい。

*1:英語だけではないかもしれないが、英語は3つ並べるリズムが好きで、これが少なくない。golden triangleはやはり安定感があるのだろう。

*2:アマゾンで1870円だから、1枚200円とちょっとにしかならない。