松井秀喜選手の引退

amamu2012-12-29

 新聞で松井秀喜選手の引退が報じられている。
 各紙が報道しているが、引退会見の発言に学ぶべきことが少なくない。


 いくつかあるが、そのうちのひとつ。

 自分にコントロール出来ることと、出来ないことに分けて、出来ないことに関心を持たないこと


 これは、正鵠を射ている。
 朝日新聞のある記事で、「ニューヨークに渡った1年目。不振にあえいだ春先、地元メディアにバッシングされた」ときのコメントに「記者が書くことは僕には制御できない。だから何を書かれても関心がないんです」と紹介されていた。
 これは、私たちが学ぶべきことではないだろうか。
 わたしはネイティブアメリカンの教えを思い出した。
 むかし読んだ本で、「インディアンの教え」というものがあり、その中に、たしか天候を憂えても仕方がないというような内容があった。天候を憂えるのは無駄である。自然は管理できないというような話である。
 逆にいえば、「自分にコントロールできることはすべてやる」ということだろう。
 大変むずかしいことで、世間では、自分がコントロールできないことに責任転嫁して自己を合理化し、自分がやらなければならないことを棚上げにして怠けることが少なくない。

 また、「20年間で一番思い浮かぶシーンは」という質問に対して、松井選手は次のように述べている。

 長嶋監督と2人で素振りをした時間ですね。一番印象に残っている。

 
 これが、2009年のワールドシリーズのときのMVP受賞など、結果を出した時の思い出話でないところに好感がもてるではないか。

 また、「日本通算507本塁打についてどう思うか」という質問に対して、「どうのこうのはない。チームが勝つこと、いい方向に向かうために、自分が努力することしか考えていなかった」と松井選手は返答している。結果を出している選手が過程を大事にしている姿に好感をもつし、おそらく性急に結果を出そうとすること自体が適切な認識ではないのだろう。
 松井選手に見習わなければならない。