石破氏再びデモ批判 「民主主義と異なる」

 石破氏の「テロ」発言は撤回したとのことだが、デモを批判する姿勢は変えていないという。
以下、2013年12月2日 東京新聞夕刊より。

 自民党石破茂幹事長は二日付の「おわびと訂正」と題したブログで、特定秘密保護法案や原発再稼働に反対する国会周辺などでのデモを「テロ」と例えたことについて、表現を撤回し「党の責任者として、行き届かなかった点があったことをおわび申し上げる」と陳謝した。
 十一月二十九日付の「テロと本質的には変わらない」との表現は取りやめた代わりに、「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と重ねて指摘。デモを批判する姿勢は変えなかった。
 石破氏は二日午後に国会内で記者会見し、当初のブログ内容について陳謝。その上で、「整然と行われるデモや集会は民主主義にとって当然必要だと思うが、一般市民に畏怖の念、恐怖の念を与えることは、どんな主義主張であれ、やっていいとは思わない」と重ねて批判した。
 石破氏は二日午後に首相官邸で行われた政府与党連絡会議でも、当初のブログ内容について「(同法案の)参院審議の最中に不適切な表現をした。撤回し、訂正し、おわびする」と陳謝した。
 安倍晋三首相は同会議で、同法案について「国民の不安や懸念を払拭(ふっしょく)するよう丁寧な説明を尽くす」と述べた上で、今国会で成立させる方針に変わりはないことを強調した。
 公明党山口那津男代表は会議後、記者団に「審議に影響が出ないように、発言は慎重にしてもらいたい」と述べた。

◆2日付更新ブログ要旨
 おわびと訂正
 整然と行われるデモや集会は、いかなる主張であっても民主主義にとって望ましい。一方、一般の人々に畏怖の念を与え、大音量で自己の主張を述べるような手法は、本来あるべき民主主義とは相いれない。テロとの共通性を感じて「テロと本質的に変わらない」と記したが、この部分を撤回し「本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思う」と改める。自民党の責任者として、行き届かなかった点があったことをおわびする。

 
 「整然と行われるデモや集会は民主主義にとって当然必要と思う」と石破氏は訂正したが、本当のところどうなのだろうか。
 「一般市民に畏怖の念、恐怖の念を与えることは、どんな主義主張であれ、やっていいとは思わない」「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」との石破氏の発言だが、11月26日の衆院委での強行採決について、私は「一般市民に畏怖の念、恐怖の念を与えることは、どんな主義主張であれ、やっていいとは思わない」と思ったし、「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と思ったのだが、どうなのか。
 本日の朝日新聞世論調査では、秘密保護法案について、賛成が25%で、「反対」が50%だという。
 こうした状況で、「一般市民に畏怖の念、恐怖の念を与えることは、どんな主義主張であれ、やっていとは思わない」し、「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と思われないのだろうか。「本来あるべき民主主義の手法と異なる」のは、国民主権基本的人権・平和主義からして、憲法違反の懸念があり、反対の多い、慎重審議を求める声が多い法案に対して、強行採決をしようとする側ではないのか。実に不思議であるとしか言いようがない。