「文書改ざん「民主主義の土台崩れる」 官邸前で抗議デモ」

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以下、朝日新聞デジタル版(2018年3月31日00時57分)から。

 森友学園との国有地取引を巡る公文書改ざんに抗議するデモが30日夜、東京・永田町の首相官邸前であった。改ざんの真相が明らかにならないことに怒りの声が上がった。

 官邸前の歩道は、数百メートルにわたって参加する人々で埋まった。27日にあった佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問以来、官邸前で開かれた初めての大規模デモ。参加者らは「説明責任しっかり果たせ」と声を上げ、安倍晋三首相の妻昭恵氏らの説明を求めた。

 安保法制に反対した学生団体SEALDs(シールズ)の元メンバーで大学院生の諏訪原健さん(25)は「証人喚問では何も解明されなかった。今日は仕事帰りの人も多く、過去の参加者と層が違うと感じる」。東京都の会社員林昇平さん(36)は「文書改ざんで民主主義の土台が崩れるという危機感を持って参加した」と話した。

 新年度予算が成立し、国会での追及の場が減りつつある野党側は、街頭デモとの連携に活路を見いだそうとしている。

 「主権者は国民。国会の議席構成にかかわらず、国民の大きな声、うねりがあれば変わっていく」。立憲民主党枝野幸男代表は30日の記者会見で、抗議の声を国会での追及につなげていく考えを示した。

 共産党志位和夫委員長も、東京・新宿で25日に市民団体が主催したデモで「国民の怒りは沸騰している。真相を究明し、この国に民主主義を取り戻そうじゃありませんか」と更なる連携を呼びかけた。

 デモ論に詳しい五野井郁夫・高千穂大教授(政治学)は「2011年の原発事故以降、市民の間で『路上の民主主義』であるデモの経験が蓄積されてきた」とみる。「公文書改ざん問題に対する抗議は、原発や安全保障関連法への反対運動より速いスピードで広がっているように見える。安倍政権を評価してきた会社員の層も街頭で足を止めたり、ツイッターでつぶやいたりするような変化が出ている。自発的に集まる人が増え、成熟してきた印象を受ける」と話す。(高島曜介、南彰)