「昭恵氏の名誉職 教育系は「森友」「加計」のみ 首相「あまたある」2日で訂正」

 以下、東京新聞(2018年3月29日 07時08分)より。

 学校法人「森友学園」を巡る問題に関し、安倍晋三首相の妻昭恵氏が務めていた会長職などの名誉職が計五十五件だったことが二十八日、分かった。このうち、教育機関の名誉職は「森友学園」の小学校と「加計(かけ)学園」の認可外保育施設の二件で、すでに辞任した。首相が二十八日の参院予算委員会で明らかにした。首相は二十六日の参院予算委では、昭恵氏が務めていた教育機関の名誉職を「あまたの数がある」と説明していたが、二十八日にわずか二件と訂正した。 (清水俊介)

 昭恵氏は、森友学園が開校を予定していた「瑞穂の国記念小学院」の名誉校長と、加計学園が運営する「御影インターナショナルこども園」の名誉園長を務めていた。いずれも両学園を巡る問題が国会で取り上げられた後に辞任している。

 首相は二十六日の答弁で「妻が名誉校長を務めているところがあまたの数あるが、行政に影響を及ぼしたことはない」と説明したが、二十八日には「名誉校長ではなく名誉職。言い間違っていた」と訂正し、教育機関は二つだったと明らかにした。共産党小池晃氏は「あまたあると言ったが二つで、一つは森友、一つは加計だ」と批判した。

 首相は昭恵氏の名誉職について「もう一度チェックし、すでに辞めたものがあるが、ほとんどの名誉職を辞退することにしている」と説明した。森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざんを巡り、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が証人喚問で首相や官邸の指示を否定したことについては「これまでも、書き換えは全く指示していないと申し上げてきた通りだ」と、重ねて自らの関与を否定。佐川氏の証言については「政府は論評を控える。国民の皆さんが判断することだ」と話した。

 改ざんを巡って捜査が進んでいることなどを挙げて「確たるものを得た中で、政府としてけじめをつけていくことは当然だ」とも語り、責任を明確にする考えを示した。内閣総辞職衆院解散は否定した。

 文書改ざんに関しては、財務省の太田充理財局長が内部調査で改ざんの構図が解明し切れていないと説明した。「複数の人間で相談した可能性もあるし、指示命令(系統)が一本の可能性もある。構図が明らかになっていない」と釈明。改ざんの責任者についても「『私が責任者だ』と普通の人間は言い難い。認定は非常に難しい」と話した。

東京新聞