「「昭恵氏に都度都度、報告」 国有地取引めぐり籠池被告」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年3月23日22時30分)から。

 学校法人・森友学園大阪市)との国有地取引に関する決裁文書を財務省が改ざんした問題で、野党3党の衆院議員が23日、大阪拘置所で勾留中の学園前理事長の籠池泰典被告=詐欺などの罪で起訴=と接見した。議員らによると、前理事長は改ざん前の決裁文書にあった安倍晋三首相の妻昭恵氏の発言について「間違いない」と証言したという。

 この日は、大阪地裁が接見を認めた6党の国会議員のうち、川内博史立憲民主党)、今井雅人希望の党)、宮本岳志共産党)の3衆院議員が45分間接見し、その後、取材に応じた。

 改ざん前の文書には、2014年4月に前理事長が昭恵氏を小学校建設予定地の国有地に案内した際、昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」と言われたとの学園側の発言が記載されていた。一方、安倍首相は、昭恵氏に確認したところ「そのようなことは申し上げていないということだった」と国会で全面否定していた。

 議員らによると、前理事長は「(昭恵氏は)確かにそういうふうにおっしゃっていた。間違いない」と発言。財務省近畿財務局に示した、国有地で昭恵氏と一緒に撮影した写真について「昭恵夫人から『何かできることはありますか』と言われたので、『敷地の前で写真を撮ってください』と申し上げて、あの写真撮影になった」と背景を説明したという。

 また、前理事長は「(国有地の)貸し付け契約の時から(国と)取引するにあたって、都度都度、昭恵氏や(夫人付政府職員だった)谷査恵子氏に状況を報告していた」と述べた。国有地の売却価格の提示があったかどうか尋ねると「当時の代理人の弁護士を通じて近畿財務局から提示があった」と話したという。

 前理事長は議員からの質問に淡々と答えていたが、昭恵氏の発言を安倍首相が国会で否定したことを伝えた際には、「そんなはずはないですよ」と語気を強めた。改ざん問題については「びっくりした」と述べたという。

 今井氏は「昭恵氏はかなりこの取引をご存じだったという印象を受けた。昭恵氏にも話を聞かないといけない」と昭恵氏の国会招致を改めて求めた。

 前理事長は昨年7月の逮捕以来、7カ月以上勾留されている。今井氏は「寒くて少ししもやけができている感じだったが、お元気そうだった」と印象を語った。

 接見は当初15分間の予定だったが、拘置所側から延長したと説明があり、45分間とれたという。議員らはこの日の取材に「(この場では)話してないこともある」と述べており、27日の佐川宣寿(のぶひさ)・前国税庁長官の証人喚問などで前理事長の新たな証言に言及する可能性もある。

 26日には民進、自由、社民3党の参院議員が接見する予定。