「立憲の追及に首相「作られたストーリー」 委員会騒然」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年5月28日13時35分)から。

 加計(かけ)学園理事長と安倍晋三首相の面会を記した愛媛県の文書に、財務省が「廃棄した」と説明してきた森友学園との1千ページ近い交渉記録。28日午前に開かれた参院予算委員会の集中審議で、野党側は新たな資料を元に質問を展開したが、首相は従来の見解を繰り返した。議場で怒号が飛び交うこともあった。

 愛媛県が国会に提出した文書には、加計学園からの報告として、2015年2月25日に加計孝太郎理事長が首相と面会し、獣医学部の計画について説明したという内容が記されている。

 首相は面会について「(記者団の取材に基づく)『首相動静』にない」などとして否定。立憲民主党福山哲郎氏は官房副長官を務めた経験から「首相動静になくても、面会することは可能」と追及したが、首相は主張を変えなかった。福山氏から、加計理事長との電話について問われると「3年前に友人と電話で話したかどうかは正確に答えられない」と述べた。

 学園は今月26日、「実際にはなかった面会を県に伝えていた」とするファクスを出した。事実ならば、学園側の誤った主張を元に獣医学部計画が進んだことになる。共産党小池晃氏に「実際になかった面談を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えた。総理はなんで怒らないのか」と問われ、首相は「怒るとか怒らないでなく、県の文書だからコメントする立場にない」と答えた。

 面会を否定する首相に、小池氏が「反証を示して」と求めると、首相は「大切なのはプロセスに問題があったかどうか」。小池氏が「全くすり替えて、まともに答えようとしない」と指摘する場面もあった。

 野党が面会の事実を追及する理由は、首相が「学園による獣医学部計画を知ったのは17年1月」と述べているためだ。福山氏は、それ以前の時期に首相が認識していたことをうかがわせる、官邸幹部らの発言が記された複数の文書を示し、「みんな残っている文書だ。全く反証になっていない」と言うと、首相は「委員がつくられたストーリーなんだろう」と答弁。議場は騒然となり、審議は一時中断した。

首相「私も昭恵もあれこれ言っていない」

 「破棄したとされた交渉記録に(首相の妻)昭恵夫人の記載が14カ所ある。これでも、奥様は全く関係ないというお考えなのか」

 財務省が公表した交渉記録について、国民民主党増子輝彦氏がパネルを示してこう迫ると、首相は語気を強めて、「不正はしていないとはっきり申し上げたい。この1年間ずっとやっているんですから。私もですね、妻もいわば……」と早口で答弁を始めた。

 野党側から大きなヤジが上がり、委員長が静粛な審議を求める中、首相は「再三申し上げているが、私や妻、事務所も関与していない」と答弁を続けた。

 増子氏がさらに「昭恵夫人の言動で行政がゆがめられたのでは」と尋ねると、首相は「昨年来ずっと同じ答えをしている」とこれまでと同様の答弁を繰り返した。交渉記録には、昭恵氏付の職員が土地取引をめぐり財務省に問い合わせたことを示す内容などが含まれていたが、首相は「全く新しい事実がない」と述べた。

 一方で、昭恵氏が森友学園の小学校の名誉校長を務めていたことをめぐっては、「国民から疑いを持たれることは当然。思いが至らなかった点は反省している」と謝罪した。

 共産党小池晃氏が「文書改ざんは首相夫妻を守るために行われたのでは」と突くと、首相は「書き換え前の文書を見ても、私も昭恵も財務省にあれこれ言っていないのは明らか。むしろ、しっかり示していただいた方がよかったと今思っている」と述べた。