「平和の申し子たちへ 僕は語り継ぐ」

 朝日新聞の夕刊で連載中の「人生の贈りもの」。
 今回は、作家・作詞家のなかにし礼さん。
 ライブハウスで詩を朗読したり、トークをしたり、歌ったりしたそうだ。
 以下、朝日新聞から。

――昨年発表した「平和の申し子たちへ!」の詩はこう始まります。

    ◇

二〇一四年七月一日火曜日

集団的自衛権閣議決定された

この日 日本の誇るべき

たった一つの宝物

平和憲法は粉砕された

つまり君たち若者もまた

圧殺されたのである

こんな憲法違反にたいして

最高裁はなんの文句も言わない

かくして君たちの日本は

その長い歴史の中の

どんな時代よりも禍々(まがまが)しい

暗黒時代へともどっていく

そしてまたあの

醜悪と愚劣 残酷と恐怖の

戦争が始まるだろう

    ◇