海外旅行中は結構美術館に出かけるし実際出かけたのだが、日頃は、残念ながら美術館に行く暇がない。
今回、連休ということで、出かけた。
カラヴァッジョやルノワールにも興味があるが、今回は、黒田清輝(1886年〜1924年)を観た。
黒田は、幕末の薩摩藩士。法律を学ぶためにフランス留学したが、画家を志すことになる。
作品では、「湖畔」が有名だ。
今回観たかったのは、「知・感・情」の裸婦画。
興味深かったのは、今回、東京駅に黒田清輝の壁画があったと初めて知ったこと。「海の幸」「山の幸」というテーマに、昔の神話でなく、黒田が漁民や現代の労働者を描いたということに興味を覚えた。
また、「昔語り」という戦争で焼失した大作の下絵が興味深かった。
黒田は1924年(大正13年)に57歳で亡くなった。
黒田は、「スケッチの域を脱して、画と云ふものになる様に進みたいと思ふ」と願っていた。
黒田の師となったラファエル・コランの絵も飾ってあったが、技術的には、コランの絵に高いものがあった。それでも、美術史的には、コランは名を残しているとは言い難い。
SF的発想に過ぎないが、洋画を学び格闘し日清戦争に従軍もした黒田清輝が、けっして見ることのなかった昭和の戦争をどのようにとらえたのか、聞いてみたかった。