「カジノ参入、直接要求? トランプ氏、安倍首相に 米で報道」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年10月12日05時00分)から。

 米調査報道専門ニュースサイト「プロパブリカ」は10日、安倍晋三首相が昨年2月に訪米した際、トランプ大統領安倍氏に対し、トランプ氏の大口献金者が会長を務めるカジノ運営大手「ラスベガス・サンズ」の日本参入を働きかけていたと報じた。大統領が献金者の個人的なビジネスの利益を他国の首脳に求めることは、規範に反する異例な行為だと指摘している。

 同サイトによると、ワシントンで日米首脳会談を終えた両首脳は、昨年2月10日夜からトランプ氏のフロリダ州パームビーチにある別荘「マール・ア・ラーゴ」に移動。トランプ氏が突然、大口献金者シェルドン・アデルソン氏のカジノ事業について話題に持ち出した。

 トランプ氏は安倍氏に、サンズへの日本での事業許可を強く検討すべきだと求めた。その会話を知る関係者の話では、「安倍氏は回答せず、『情報をありがとう』と述べた」という。

 アデルソン氏は首脳会談前日の9日夜、ホワイトハウスでトランプ氏と夕食を共にしていた。最近、株主に対し、日本参入の努力が実ったと伝え、「我々は先頭にいる」などと語っているという。アデルソン氏は16年大統領選で、トランプ氏に2千万ドル(約22億4千万円)を献金し、さらに大統領就任式にも500万ドルを投じている。

 菅義偉官房長官は11日の記者会見で「首相が国会で答弁した通りだ」と述べた。首相は7月の参院内閣委員会でトランプ氏からの口利きを否定している。

 (ワシントン=土佐茂生)