「トランプ氏、CNN記者と会見で口論 出入り禁止に」

 f:id:amamu:20051228113104j:plain

 以下、朝日新聞デジタル版(2018年11月8日07時54分)から。

 米中間選挙から一夜明けた7日、トランプ大統領ホワイトハウスで記者会見を開いた。与党・共和党は上院で過半数を維持したものの、8年ぶりに下院の多数派を野党・民主党に明け渡した。トランプ氏は会見で、自身に批判的なCNNの記者と激しく口論した。ホワイトハウスはこの記者の記者証を無効にし、無期限の出入り禁止にした。

 会見でCNNのホワイトハウス担当のジム・アコスタ記者は、トランプ氏が選挙戦終盤で中米からの「移民キャラバン」を犯罪と結びつけ、移民規制の強化を訴えたことについて、「彼らを悪者に仕立て上げていないか」などと質問した。

 トランプ氏は「あなたとは意見が違う。彼らは役者ではない。現実だ」などと答えた。さらに、アコスタ記者が「(移民は米国と)まだ何百マイルも離れている」として危機をあおっているのではと問うたのに対し、「私に国を運営させて欲しい。あなた方はCNNを運営する。うまくやれば視聴率が上がる。もう十分だ」と質問を打ち切った。

 アコスタ記者がマイクを取り上げられて着席すると、トランプ氏は記者を指さし、「CNNはアコスタ記者を雇っていることを恥ずべきだ。あなたは無礼だ。ひどい人間だ。CNNで働くべきではない」と述べた。さらに立ち上がって抗議するアコスタ記者に対し、「どうか座って下さい。フェイクニュースを報道するなら、国民の敵だ」と告げた。

 その後、アコスタ記者はホワイトハウスに入れなくなったとツイート。ホワイトハウスの報道官は声明で、「インターンとして仕事をしようとした若い女性に触れたことは許せない」などとして、アコスタ記者の記者証を無期限で停止したことを明らかにした。会見でマイクを取り上げようとした女性職員を手で制したことを指しているとみられる。

 トランプ氏はこの日朝のツイッター中間選挙を振り返り、「意地悪で敵対的なメディアの圧力の中で、なんて大きな勝利なんだ!」と投稿しており、メディアとの対立姿勢を深めている。

 CNNは広報チームのツイッターで「大統領の報道への攻撃は行きすぎている。危険なだけでなく、心配なほど非米国的だ」「報道の自由は民主主義の要で、アコスタ記者とすべてのジャーナリストを支援する」とコメントしている。

 トランプ氏は大統領選から自身に批判的なCNNなどのメディアを「偽ニュース」などと批判してきた。昨年1月、大統領選後初の記者会見でも、質問の機会を求めたアコスタ記者に「あなたには質問はさせない。あなた方は偽ニュースだ」などと答えていた。

 トランプ氏は中間選挙の選挙集会でもメディア批判を展開。支持者が一斉に後方の報道席にいるメディアに向けてブーイングするのが恒例化していた。アコスタ記者の現場からの中継中に、支持者が「CNNは最悪!」と合唱することもたびたびあった。(ワシントン=香取啓介)