以下、朝日新聞デジタル版(2018年11月14日21時44分)から。
サイバーセキュリティ基本法改正案を担当する桜田義孝五輪相(68)は14日、普段からパソコンを使っていないと明らかにした。桜田氏は政府のサイバーセキュリティ戦略副本部長で、サイバー攻撃対策を所管する。答弁の不安定さに加え、担当閣僚としての適性を疑問視する声も出る。
桜田氏はこの日の衆院内閣委員会で「従業員や秘書に指示してやってきたので、自分でパソコンを打つことはない」と答弁。大工を経て25歳ごろに建設会社を立ち上げたが、業務などで自らパソコンを使用したことはないと説明した。
政府は東京五輪でサイバー攻撃が増えることを見込み、対策を盛り込んだ法改正案の今国会成立をめざす。桜田氏はサイバー攻撃対策について「私の事務所や国が総力を挙げて総合的にやること」と語った。
質問した立憲民主党会派の今井雅人氏は「パソコンもいじったことのない方が対策をするのは信じられない」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で「どう考えても適任ではない。首相の任命責任が厳しく問われる」と批判した。
また、桜田氏は慰安婦について「職業としての娼婦(しょうふ)、ビジネスだった」とした2016年の発言を追及され、「すでに撤回している」と説明。歴代内閣の歴史認識を形式上受け継いだ戦後70年の安倍談話を「内閣の一員として尊重していく」と述べた。(大久保貴裕)