以下、朝日新聞デジタル版(2018年11月17日11時05分)から。
サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が、トルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で殺害された事件で、ワシントン・ポスト紙は16日、米中央情報局(CIA)が「サウジのムハンマド皇太子が殺害を命じた」と結論づけたと報じた。在米サウジ大使館は同紙の報道内容を否定した。
サウジ記者、遺体なき葬儀 「本当の殺害犯問い続ける」
【特集】事件の経緯は、王室の関与は…サウジ人記者殺害疑惑同紙が関係者の話として伝えたところによると、CIAは、トルコから提供された殺害に至る様子を録音したデータのほか、米国が独自に傍受した電話の会話記録などを総合的に分析したという。
皇太子弟の電話など分析
傍受した会話には、ムハンマド皇太子の弟で駐米大使のハリド王子とカショギ氏の電話が含まれるという。ハリド王子は結婚手続きの書類を求めていたカショギ氏に、イスタンブールの総領事館に行って書類を受け取るよう勧め、さらに安全だと伝えたとしている。このハリド氏の電話は、ムハンマド皇太子からの指示だったという。
米情報当局は殺害前、通信を傍受し、サウジ王室が米国に住んでいたカショギ氏をサウジに誘い出す方策を練っていた内容を記録。カショギ氏に危険が迫っていたことになるが、殺害前には詳しく検討されなかったという。
(後略)
ワシントン=杉山正