「午前は調子が悪い・急に具合が…統計の参考人が欠席連発」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年3月5日6時30分)から。

 新年度予算案の審議が参院予算委員会で4日始まった。野党は衆院に続き統計問題で政府を追及する方針だが、この日は出席を求めた参考人が都合がつかないといった理由で欠席。野党はいら立ちを強めている。

 「統計不正の問題を聞こうと思ったが、姉崎(猛・厚生労働省元統計情報部長)さんは『午前中は調子が悪い』、代わりの藤沢(勝博・同省政策)統括官は『急に具合が悪くなった』。お見舞いを申し上げるしかない」。国民民主党会派の森ゆうこ氏は質問で皮肉を込めた。統計問題を議題にする予定で、中江元哉・元首相秘書官(現・財務省関税局長)は出席したものの、他の参考人の出席はかなわず、沖縄の基地問題などに時間を充てた。

 野党側は4日の質疑に姉崎、藤沢両氏のほか、西村清彦総務省統計委員長の参考人招致を求めていたが、予算委に先立つ理事会で与党は西村氏についても「15~17時に対応可能。森氏の質疑時間は難しい」と通告した。

 国民の舟山康江参院国会対策委員長は4日、「呼んでいた参考人が今朝になって急きょ都合が悪いと欠席になった。そういう中では質問できない」と与党の対応に不満をあらわにした。

 野党の不満の背景には、衆院で与党が野党の要求に時間をかけて応じ、審議時間を稼いだことがある。参考人が出席しても、所管外を理由に答弁を拒んだり、「記憶がない」との答弁が相次いだりした。

 厚労省の毎月勤労統計の不正調査に関する特別監察委員会の樋口美雄委員長は、2月5日の出席要求以降も「労働政策研究・研修機構理事長」としてたびたび予算委に出席したが、所管外を理由に答弁拒否を繰り返した。実質的に答弁したのは、追加報告書を公表した翌日の28日になってからだった。

 与野党が合意しても参考人には出席の義務はない。立憲民主党福山哲郎幹事長は3月3日のNHK番組で中江氏と姉崎氏について「証人喚問も含めて考えなければいけない」と言及。出席が義務づけられ証言拒否などには刑事罰が科される証人喚問をちらつかせ、与党を揺さぶる考えだ。(磯部佳孝、松浦祐子)

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 参院予算委員会理事会は4日、「統計問題・内外の諸情勢」をテーマに6日に7時間の集中審議を開くことで合意した。安倍晋三首相も出席する。