失言が相次いでいた桜田義孝五輪相が10日、辞任に追い込まれた。安倍晋三首相が重視する「震災からの復興」より、自民党衆院議員が「大事」と公言したことで、首相もかばいきれなくなった。遅きに失した感は否めず、与野党から厳しい声が相次いだ。

 10日、東京・赤坂の高級ホテル。午後6時半から始まった自民党麻生派高橋比奈子衆院議員(比例東北)のパーティーには、麻生太郎副総理兼財務相細田派会長の細田博之・元官房長官らが集まった。乾杯前の最後の来賓あいさつに立ったのが、桜田氏だった。

 「おもてなしの心を持って、復興に協力していただければ、ありがたいと思います。そして復興以上に大事なのは、高橋さんでございますんで、よろしくどうぞ、お願いいたします」

 参加した国会議員から「あの発言はまずくないか」との声も漏れるなか、会場を出ようとする桜田氏を記者団が追うと、「そんなこと言ったことありません。記憶にありません」などと言い、立ち止まって説明することもなく、足早にホテルを後にした。

(後略)