「新喜劇に首相「僕ら体制の手先でない」吉本興業HD会長」

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すでに2週間以上も前の記事だが、以下、朝日新聞デジタル版(2019年7月13日21時0分)から。

 吉本興業は近年、官公庁からの仕事の依頼も多いほか、政権与党との距離感を疑問視する声もある。今年4月には安倍晋三首相が吉本新喜劇の舞台に出演し、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の協力を大阪府民に呼びかけている。6月に初開催された沖縄・普天間飛行場などの移設を視野に入れた内閣府の「基地跡地の未来に関する懇談会」で委員も務めている吉本興業ホールディングスの大崎洋会長に、権力との向き合い方や経緯などを聞いた。

芸人との契約、今後も「紙より口頭で」吉本興業HD会長
 ――芸能事務所が色々あるなかで、もっとも国や政権に近いようにみえる。きっかけは何だったのか?

 「2011年に47都道府県に芸人を置いて地域密着させた『住みます芸人』をやってから、どこへ行っても『あれはいいプロジェクトですね』と言われるようになった。放送局でも新聞社でも、官邸や各省庁に行っても、そう評価された。もう一つは沖縄国際映画祭を始めて10年になるが、『毎年何億円も赤字を出しながら、よく続けていますね。いいですね』と言われる。それを聞いた社員や芸人たちが、ますます頑張れた。そんなムード感の中で、色んな所からお声掛け頂いたと思っている」

 ――行政と一緒に地域の活性化をすることで、官との仕事の面白さが分かったし、向こうからも声がかかるようになった?

 「そう。もうひとつ加えると、僕らみたいな末端の隅っこの人間や会社でも、世の中の役に立って喜んで頂くことが、笑いを通じてあるんだということを、それぞれの社員や芸人たちが認識した。あるいは再認識したということ」

 ――ただ、大阪の笑いには反骨精神という面もあると思うので、首相が新喜劇の舞台に立ったことには違和感を覚えた。

(後略)

(聞き手・後藤洋平、定塚遼、篠塚健一)