「市長「日本、核廃絶主導を」 首相、核禁条約に言及せず 広島、原爆投下から74年」

以下、朝日新聞デジタル版(2019年8月7日5時0分)から。

 広島への原爆投下から74年となった6日、広島市中区広島平和記念公園で平和記念式典が開かれた。約5万人の市民らが参列。原爆投下時刻の午前8時15分に、犠牲者に黙祷(もくとう)を捧げた。

 米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約が2日に失効したばかり。「平和宣言」で松井一実市長は、「両核大国の間で『理ログイン前の続き性』の発露と対話によって核軍縮に舵(かじ)を切った勇気ある先輩がいたことを思い起こして」と問いかけた。広島県湯崎英彦知事は「核兵器不使用を絶対的に保証するのは、廃絶以外ありえない」と断じた。

 核兵器をめぐっては、使用するとの威嚇などを禁じた核兵器禁止条約が、122カ国の賛同で2年前に国連で採択された。しかし批准した国は24で、発効に必要な50に満たない。松井市長はこの日、日本政府に署名・批准を促し、「核兵器のない世界の実現に更に一歩踏み込んでリーダーシップを発揮して頂きたい」と求めたが、安倍晋三首相はあいさつで条約に言及しなかった。

 保有国に核軍縮交渉を義務づけ、他の国々には保有を禁じた核不拡散条約(NPT)が、来年に発効から50年となる。これに先立ち、国連本部で今春に会合が開かれたが、核軍縮の進め方をめぐる対立を露呈した。

 こうした中、国連のアントニオ・グテーレス事務総長のメッセージが式典で代読された。「核保有国間の緊張が高まっている。もう一度被爆者が広めてきたメッセージを思い出さなくてはならない」(宮崎園子)