「企業の8割が国内景気「弱い」 朝日新聞100社調査」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019/12/3 13:00)から。

国内の景気、どうみる?
 全国の主要100社に対する朝日新聞のアンケートで、国内の景気が「足踏み(踊り場)状態にある」と答えた企業が67社にのぼり、6月の前回調査の57社から増えた。「後退」との回答も合わせ、景気が弱いと見る企業は8割近くに達した。消費増税による消費の落ち込みや米中通商対立の長期化で、内需、外需ともに懸念材料を抱え、昨年から続く景況感の悪化に歯止めがかかっていない。

2019年秋の100社景気アンケート
 調査は春秋の年2回行っている。今回は11月11日~22日に実施し、4割の企業には経営陣に面談して取材した。

 国内景気について「緩やかに拡大している」と答えた企業は21社にとどまり、前回の32社から大きく減った。この分が「足踏み」に移った形だ。「緩やかに後退している」は10社、「後退している」は2社で、ほぼ横ばいだった。

 「足踏み」「緩やかに後退」「後退」と答えた79社に、要因を二つまで挙げてもらったところ、「個人消費」が45社で最多だった。多くの企業が10月の消費増税の影響を気にかけているようだ。ほかに「企業収益」(35社)、「輸出」(24社)、「設備投資」(12社)も目立った。

 今後の国内景気への懸念材料(二つまで)では、「海外経済の先行き」(69社)と「個人消費の停滞」(50社)が特に多かった。

 世界の景気に対する見方も悪化した。「緩やかに拡大」は31社で、前回の39社から減少。一方、「緩やかに減速」は前回の19社から27社に増えた。懸念材料では「米中の貿易摩擦による中国経済の減速」が73社で最多に。「貿易摩擦による米国経済の減速」も15社あった。

 アルプスアルパインの栗山年弘社長は「経済が好調とされる米国でも自動車販売はもう減速している。12月中旬に迫る輸入品への追加関税『第4弾』の残りの発動までに、米中が貿易摩擦で歩み寄れるか注視している」と話す。(高橋末菜、吉田貴司)

調査対象の企業
味の素、明治HD、アサヒグループHD、サントリーHD、日本ハム東レ東洋紡、ワコールHD、ミズノ、王子HD、花王信越化学工業富士フイルムHD、三菱ケミカルHD、旭化成資生堂武田薬品工業、JXTGHD、住友ゴム工業太平洋セメント、AGC、TOTO、日本製鉄、JFEHD、東京製鉄、三菱マテリアル古河電気工業コマツ日本ガイシ日立製作所富士通ソニー東芝、NEC、アルプスアルパイン、京セラ、パナソニック、シャープ、ダイキン工業安川電機トヨタ自動車、スズキ、日産自動車、スバル、三菱重工業、DMG森精機キヤノン大日本印刷、クボタ、コクヨ、鹿島、清水建設積水ハウス三井不動産三菱地所、SOMPOHD、三井物産三菱商事高島屋、Jフロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリングセブン&アイHD、イオン、ファミリーマート、ローソン、ロイヤルHD、日本マクドナルドHD、すかいらーくHD、ファーストリテイリング、三菱UFJFG、みずほFG、三井住友FG、りそなHD、野村HD、松井証券日本生命保険東京海上HD、オリックス、三井住友トラストHD、日本通運、ヤマトHD、JR東海、東急、近鉄グループHD、日本郵船、ANAHD、NTT、KDDIバンダイナムコHD、楽天東京ガス大阪ガス、ヤフー、JTB、西武HD、セコム、電通リクルートHD、関西電力ニトリHD

 (HDはホールディングス、FGはフィナンシャルグループ。順不同)

主な質問と回答
 (数字は会社数。無回答などで合計があわない質問も。質問や回答の一部は要約)

国内のいまの景気は
1)拡大している       0

2)緩やかに拡大している   21

3)足踏み状態にある     67

4)緩やかに後退している   10

5)後退している       2

国内景気の懸念材料は(二つまで)
1)企業収益の悪化      23

2)企業の設備投資の停滞   9

3)人手不足         11

4)個人消費の停滞      50

5)公共事業の減少      0

6)株価の下落        1

7)円安の進行        0

8)円高の進行        8

9)原油など資源価格の上昇  3

10)消費税率の引き上げ    7

11)財政再建の遅れ      2

12)成長戦略の遅れ      2

13)日本の金融政策の行方   0

14)国内政治の先行き     0

15)海外経済の先行き     69

16)その他          8

世界のいまの景気は
1)拡大している       0

2)緩やかに拡大している   31

3)足踏み状態にある     37

4)緩やかに減速している   27

5)減速している       4

世界景気の懸念材料は
1)貿易摩擦による米国経済の減速               15

2)米中の貿易摩擦による中国経済の減速            73

3)中国国内の債務削減政策などの構造改革           1

4)新興国(中国をのぞく)経済の減速             1

5)欧州経済の減速      2

6)国際的な紛争やテロ    0

7)資源価格の動向      0

8)北朝鮮問題        0

9)その他          5

消費増税の評価は
1)大いに評価できる     18

2)ある程度の評価はできる  52

3)どちらともいえない    13

4)あまり評価できない    5

5)全く評価できない     1

6)その他          5

政府の増税対策の効果は
1)消費の落ち込みを十分に防いでいると思う          22

2)一定の効果はあるが、消費の落ち込みを防ぐには足りていないと思う              41

3)消費の落ち込みを防ぐ効果はほとんどないと思う       2

4)その他          29

「今後10年間、消費増税は必要ない」との首相発言の受け止めは
1)その通りだと思う     10

2)引き上げは必要だと思う  15

3)どちらとも言えない    55

4)その他          10

追加の金融緩和の必要性は
1)必要だと思う       10

2)必要ないと思う      27

3)どちらとも言えない    44

4)その他          10

日米の新たな貿易協定の評価は
1)大いに評価できる     8

2)ある程度の評価はできる  51

3)どちらともいえない    25

4)あまり評価できない    4

5)全く評価できない     1

6)その他          5

日韓関係の悪化、業績に悪影響は
1)大きな悪影響を与えている 3

2)多少の悪影響を与えている 24

3)今のところ悪影響を与えていないが、今後、ありそうだ    4

4)今のところ悪影響を与えておらず今後もなさそうだ      47

5)わからない        10

6)その他          8

2018年度比で19年度の国内設備投資は
1)増える          39

2)やや増える        17

3)変わらない        27

4)やや減る         4

5)減る           6