以下、朝日新聞デジタル版(2021/3/23 11:52)から。
前千葉市長の熊谷俊人氏が初当選した知事選から一夜明けた22日、県政史上最多の140万票超を集めた衝撃が県政界に広がった。党推薦候補が102万票差で敗れた自民党県連の渡辺博道会長は同日、朝日新聞の取材に、県連会長を退く意向を示した。
「(熊谷氏の140万票超えは)本当に理解に苦しむ。説明できない」
関政幸氏(41)=自民推薦=を支えた自民県連。選挙中から2倍差での敗北もあると見ていたが、結果はさらに開き、4倍近い大差だった。市町村ごとの得票でもすべて敗北。県連幹部は22日、「びっくりだよ」と力なく語った。140万票の重みは認め、今後、政権への取り次ぎなど、熊谷氏と連携の可能性も示唆した。
県連は昨秋、鈴木大地・前スポーツ庁長官の擁立に失敗。それでも県連幹部は「党の組織で推せば、絶対がっぷり組み合えると思っていた」という。関氏擁立が遅れた結果、「知名度不足は大きかった。時間がなかった」とぼやいた。
千葉県連会長は辞任へ
渡辺県連会長は22日、「当然責任はとる。残ってられない」と語り、翌23日朝に自民党本部で開かれる県連所属の国会議員団会議で辞任の意向を説明すると明かした。夕方には党本部で二階俊博幹事長に知事選の結果を報告したという。河上茂県連幹事長もすでに辞任の意向を示しており、県連のトップ2人が交代する見込みだ。遅くとも今秋までにある衆院選に向けた立て直しが急務となるが、道のりは険しい。
一方、党内の国会議員でただ一人、熊谷氏を支援した石井準一参院議員の県政界での影響力は増しそうだ。石井氏は、朝日新聞の取材に、自民惨敗の理由を「自民党のおごり。行政府のトップを決める選挙で、自民が与野党対決の構図を作ろうとしたことへのお灸(きゅう)だ」と言い切った。
県連内で石井氏と対峙(たいじ)してきた国会議員の一人は「どう立て直したらいいかわからない」と苦悩の表情を浮かべた。(今泉奏)