「「爆発的な感染拡大」にある東京 注目される五輪の影響」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/8/4 10:00)から。

 東京都内で、新型コロナウイルスの新規感染者数が連日、過去最多となっている。8月3日までに、10日連続で曜日ごとの最多を更新。その上昇スピードはかつてない速さで、7月28日に初めて3千人を超えると、3日後の31日には4千人を上回った。今週は東京オリンピック(五輪)開幕後の人出が感染者数に反映される時期にもあたり、どこまで感染者数が増えるかに注目が集まる。

 「経験したことのない爆発的な感染拡大」。専門家がそう表現した都内の感染状況は、まさに文字どおりの急増ぶりをみせている。

 7月25日に1763人と約半年ぶりに日曜日の最多を塗り替えると、26日(1429人)、27日(2848人)、28日(3177人)、29日(3865人)、30日(3300人)、31日(4058人)、1日(3058人)、2日(2195人)、3日(3709人)と10日連続で曜日ごとの最多を更新。このうちこれまでの最多からの増え方が1千人を超えたのが5日間に上り、「いつになったら頭打ちになるのか……」とある都幹部は嘆く。

 その「尋常じゃない増え方」(国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏)をもたらしているのは、これまでの変異株より感染力の強いデルタ株の流行だ。それに加えて、繁華街での人出を抑えることが感染者数抑止の鍵となる。今週は五輪開幕から2週目にさしかかり、開幕後の人出の変化が感染者数に反映されてくるとみられる。

 五輪はコロナの感染防止対策として、首都圏1都3県の競技場では無観客での開催となった。だが、専門家からは「五輪によるお祭りムードが不要不急の外出の誘因になる」との懸念が出ていた。日本人選手のメダルラッシュに沸く中、先週末の夜には飲食店や公園に繰り出す若者らの姿も目立った。

 小池百合子知事は7月30日の定例会見で、五輪開催が感染拡大の要因になり得るかを問われると、「五輪の視聴率は20%を超えており、ステイホームに一役買っている」と否定。「五輪をやっているのだから外出や会食ぐらい構わないという意識が、若者を中心に広がっている」との指摘に対しても、「それはむしろ、分析していただければ」と答えるのみだった。

 一方、都幹部の一人は、知事に厳しい目を向ける。「仮に五輪によって感染が爆発し医療が危機に陥れば、小池知事の政治責任は必ず問われる」(岡戸佑樹、軽部理人)