"Japan’s Communists Are Hardly Radical, but Make a Handy Election Target"

 以下、選挙前のNew York Times(Published Oct. 27, 2021 Updated Oct. 31, 2021)より。

 ベン・ドゥーリ―(Ben Dooley)氏によるニューヨークタイムズ日本共産党についての記事。

 タイトルは"Japan’s Communists Are Hardly Radical, but Make a Handy Election Target"

 ひとつの訳としては、「日本共産党はそれほど急進的ではないのに、選挙では使いやすい攻撃標的になっている」。

www.nytimes.com

They have minimal support in polls. But by teaming up with other opposition parties for the first time, they have been made a boogeyman by the unpopular party in power.

(拙訳)

投票では共産党への支持率は低いが、今回野党共闘することにより、人気の落ちた政権政党によってブギーマン(鬼)にされている。

 

TOKYO — The Japan Communist Party is the oldest political party in the country. It’s the largest nonruling Communist party in the world. It’s harshly critical of China. And the Japanese authorities list it, along with ISIS and North Korea, as a threat to national security.
To many in Japan, that comparison seems exaggerated. The party, which long ago abandoned Marx and Lenin and never really had time for Stalin or Mao, is about as radical as a beige cardigan: antiwar, pro-democracy, pro-economic equality.

(拙訳)
東京発: 日本共産党は日本で最も古い老舗の政党であり、非与党のなかでは世界最大の共産党である。日本共産党は中国(共産党)に対して厳しく批判的である。(にもかかわらず)日本の権力支配層は、共産党を、イラク・シリア・イスラム国や北朝鮮と並べて、国家安全に対する脅威として考えている
 日本の多くの人々にとっては、この比較は、大げさに感じられている。共産党は、かなり前にマルクスレーニンを投げ捨て、スターリンあるいは毛沢東に賛同した時期はない。共産党の急進さの程度は、ベージュのカーディガンほどのラディカルさである。すなわちその内容は、反戦であり、民主主義に賛成であり、経済的平等に賛成である。

 紹介の中の「マルクスレーニンを投げ捨て」は、おそらく正確な叙述ではなく、1970年代に、共産党は、マルクスレーニンという個人崇拝はやめようという趣旨。また、マルクス・レーニン主義は、経典のような固定的なものではなく、理論自身を発展させなければならないという趣旨から、「科学的社会主義」というコトバに変えたと記憶している。その点からいえば、「科学的社会主義を理論的基礎としている政党」というのが、より正確な叙述になるだろう。

 「ベージュのカーディガン(ほどのラディカルさ)」という英語表現のニュアンスはよくわからない。おそらく極端な色は使いにくいが、ベージュは万人受けする色だから、ベージュのカーディガンとは、それほど使いにくくはない、極端なファッションではなく、普通だということか。

 それはともかく、自由民主党は、かなり名前負けをしていて、自由でも民主主義的でもない。むしろ共産党のほうが自由・民主ではないのかというチャチャを入れたくなるほどだ。個人的見解に過ぎないけれど。

 これも持論に過ぎないが、自共対決の視点でみてみると、日本の政治はわかりやすいと思う。