映画"Billie"をミニシアターで観てきた。
インタビューによるドキュメント映画だが、数曲、Billie Holiday の素晴らしいパフォーマンスが堪能できる。中でも"Strange Fruit"は圧巻である。
ビリー・ホリデイにとって個人的闘争の唄である「奇妙な果実」(Strange Fruit)。
この"Strange Fruit "(1939)は、唄ではなく写真から始まり、唄として結実したものだ。
ブロンクスのエイブル・ミーアポル(Abel Meeropol )は、公民権活動家・社会運動家でユダヤ系の高校教師だった。その彼が、人種差別の狂信的群衆によるリンチで犠牲となり、見世物として木にぶらさげられた二人の黒人男性が白人の見物人の群衆に囲まれている写真を見て驚愕し、"Strange Fruit"の元になる詩を書いた。
その詩がビリー・ホリデーの注意を奪った。実は、その写真は北部のインディアナ州のマリオンで撮影された写真だったが、ビリーは深南部の人種差別の唄として歌った。
ビリーは自分のレパートリーに取り入れ、コロンビアレコーズのライバルのコモドアーからリリースした。
当時もそうだが、今日なおラジオであまり聞けない、かなり挑戦的な作品になっている。
「奇妙な果実」について紹介しているサイトはたくさんある。
以下は、そのうちのひとつ。ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」の背後にある悲劇的意味。