「初めての旅」本多勝一(1979)を購入した

「初めての旅」本多勝一(1979)

 「初めての旅」本多勝一(1979)を購入した。出版社はスキージャーナル

  本の装丁の表紙に次のようにある。

 この二八年間に、私もさまざまな旅をしてきた。さまざまな動機と、さまざまな方法による旅であった。ときには間一髪で死と隣り合わせこともあったが、遠く過ぎ去ってしまえば、苦しい旅も危険な旅も、総じて愉しい想い出に包まれてゆくものだ。けれども、もし「そのなかでも特に愉しかった旅、一番すばらしかった旅はどれか」と問われたら、それは学生時代にヒマラヤ探検をしたときでもなければ、北極圏でエスキモーとともに狩りの旅をしたときでもない。いわんやベトナムの解放区にいて、米軍のヘリコプターから機関銃掃射を受けたりした旅ではありえない。そうではなくて、むしろ二ハ年前の、生まれて初めての旅らしい旅、北海道での登山と放浪である。考えさせられた旅とか、有意義な旅、忘れ難い旅、人生を変えてしまった旅というような意味であれば、また別の旅になるかもしれない。しかし無条件に愉しく、すばらしい旅となると、あのときの北海道にまさる例はなかった。