帰りは、コルテツ(Cortez), メサベルデ国立公園(Mesa Verde National Park), シップロック(Shiprock)を経て、アルバカーキー(Albuquerque)の西にある ギャラップ(Galllup)という町に着いた。
今日のドライブも、大西部の自然を感じさせてくれるドライブだった。
何もない美しさ。その何もないところに、ずっと続く舗装道路。何にもないところを延々とまっすぐな道路を突っ走った。時速100キロでも道路状態がよいので快適である。
グロサリーストア、ガススタンドがあれば立派な街(町)となるアメリカ。つくづくこんな自然に住んでいる人間の世界観は俺のような日本人的感覚を拒否するものを持っていると感じさせられた。
Bluffという町で、親子(母子)がやっていたガススタンドで、私の英語がかなり斬れて、Indian Reservationの状態が少しわかった。
Reservationには酒を一切持ち込んではいけない。アルコールを飲んだ空き缶を車に乗っけていても300ドル近い罰金をとられる。6週間にわたって留置所入りになってしまうということを学んだ。また、時速55マイルを越えると、75ドルの罰金をとられるということも。
車は便利だ。アメリカは車なしでは暮らせない社会だ。
免許は面倒と思っていたが、必要だと思い直した。そしてもっと斬れる英語で、アメリカを掴みたいと、乗せてもらった車中でそう考えた。
ラスヴェガスはつまらなかったけれど、グランドキャ二オン、モニュメントヴァレーは、本当にアメリカらしく、大収穫だった。
思い過ごしかもしれないが、Gallupに着く頃、乗せてもらった二人とも私を置いて行きたいと思っているような気がした。自分は乗せてもらっている居候的存在。急に自分が小さな存在である気がした。バスディーポ近くに滞在する旅であれば、交通手段のバスに乗れるから安心なのだが、バスルートから離れれば不安になる。暗いGallopの街で急に心細く感じた。彼らとここで別れて、明日はバス旅行に戻り、一人でアルバカーキー(Albuquerque)からエルパソ(El Paso)へ行くことにしよう。グレイハウンドのバスディーポを探してもらい、今日はバスディーポ近くに泊まることにしよう。車に乗せてもらったおかげで少しばかり回り道だったけれど、私にとっては有意義な車の旅だった。二人の大学生に礼を言って、夕食をご馳走したいと申し出た。
バスディーポの近くのモーテルに、別々に部屋をとり、レストランに出かけ、その日までのガス代を渡し、食事にT-bone steakを彼らに奢った。
学んだことは、腹芸は疲れるということだ。日本人の発想では、はじめ結論を避け、あとで急に結論が来るので、ラスヴェガスでいくら払えばいいというような条件をキチンと決めておきたかったのだが詰め切れていなかった。言いたいことは、私自身、どっちつかずで、腹芸もdebateもcommunicationに支障をきたし、疲れるということだ。ともかく、俺にとって車の旅は有意義だったので、金は惜しいと思わないし、高いとも思わない。
明日は元気にエルパソ(El Paso)をめざそう。我ことにおいて後悔せず、である。
車はガッツを出して習うことにしよう。そして車を好きになろう。俺自身の自立のためにも。
ということで、本日はギャラップのモーテル泊。